地デジ8番組を常時記録できるバッファローのレコーダーが発売となった。その名はズバリ「ゼン録 DVR-Z8」。実売価格は8万6000円前後と、REGZAサーバー「DBR-M180」(実売9万円前後)と価格的に拮抗している。DBR-M180を所有する筆者にとっては気になる存在だ。
そこで、このDVR-Z8とDBR-M180を比較してみたいと思う。
ゼン録とREGZAサーバー、そもそも何が違うの?
DBR-M180とDVR-Z8の大きな違いは、DBR-M180が地デジ6ch全録+Wチューナー搭載の“BDレコーダー”なのに対して、DVR-Z8は8ch全録に特化した“セットトップボックス”的な製品だということ。
DVR-Z8ではBDの再生やBDへの書き出し、NASへのダビング、DLNA配信などはできない。外付けのUSB HDDへのダビングは可能だが、独自の暗号化方式を採用し、記録したDVR-Z8でしか再生できない。
残したい番組はUSB HDDのほうへどんどんダビングし、HDDがいっぱいになったら別のHDDに換装すればいいということだが、DBR-M180のようにBDやNASへダビングするという選択肢はない。
また、BS、CSチューナーは内蔵しておらず、録画/視聴できるのは地デジのみとなる。さらに、視聴できる地デジのチャンネルは全録設定を行なった放送局の番組のみだ。DBR-M180のように、地デジ/BS/CSチューナー×2が完全に独立していて、3波の番組を自由に視聴できる、というわけではない。
用途的には外付けテレビチューナー的な使い方もできるDBR-M180に対して、DVR-Z8はあくまでバックグラウンドで8ch録画を行なわせ、通常のテレビ視聴はテレビのチューナーで行なったほうがよさそうだ。
DVR-Z8の録画画質は最高で6Mbps。これはDBR-M180の「中画質」にあたるが、筆者はDBR-M180においてこの画質を常用しており特に問題を感じていない。地デジを録るだけなので画質的には十分だろう。
DVR-Z8は2TBのHDDを内蔵しているが、うち1.7TB分が全録領域で、残りの300GBはプール用領域となる。全録領域に保存された番組は容量がいっぱいになったら自動的に削除されるが、プール用領域にダビングすれば自動で削除されることはない。外付けUSB HDDもプール用領域として利用できるので、300GBでは不足という際はHDDを増設すればいい。
この全録領域とプール用領域は、DBR-M180における「タイムシフト領域」と「通常録画領域」に似ている。ただしDBR-M180の通常録画領域に保存した番組は、BDへの書き出しやDLNA配信、NASへのダビング、チャプターの付与が行なえるが、前述のとおりDVR-Z8はそれらの機能に対応しないため、あくまで番組を残しておくためだけの領域となる。
ちなみに、全録領域からプール用領域へのダビングは番組実時間のおおよそ10分の1ぐらいのスピードで行なわれる。比較的高速ではあるが、ダビング中は放送中の番組の視聴も含め、一切の操作ができなくなる(全録は継続される)。
6Mbpsの画質で8chの同時録画を行なった場合、保存できるのは2.7日分となる。DBR-M180(タイムシフト領域は2TB)は中画質で6chの常時録画を行なった場合、4.5日分の番組を録り貯められる。DVR-Z8で同じく6ch分を常時録画すると3.6日分までなので、DBR-M180より保存できる日数は少ない。
ただし、これらはスペック値なので、DBR-M180と同じく、実際に保存できる日数は半日程度多いのかもしれない。個人的には、1週間分が保存できれば大満足だが、まぁ4日分が保存できれば気になる番組を見逃す心配はなさそうなので、DVR-Z8の6Mbpsでも問題ない気がする。
なお、DVR-Z8は低画質モード(2Mbps)に設定すれば、8ch録画の設定でも約8日分の保存が可能。ただしノイズはそれなりに出ている。見ていられないほどひどいノイズ、というわけではないので割り切って使うのであれば差し支えないと思う。
