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被災地の就労支援に向けてマイクロソフトとNPOがスタッフを養成

講師を育てて復興をあと押し! 「東北UPプロジェクト」

2012年03月02日 09時00分更新

文● 後藤宏

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 2月21日、日本マイクロソフトとNPO法人「育て上げ」ネットは、協働で取り組んでいる「東北UPプロジェクト」におけるICTスキル講習の公開講習を実施した。

ICT講習のロールプレイがスタート。本講習の講師が、概要を説明したあと講師役のスタッフが講義を開始する

 「東北UPプロジェクト」とは、東日本大震災の被災地である東北三県(岩手県・宮城県・福島県)の被災者を対象に実施されている就労支援プログラム。

 「被災者へのWindows 7、Office 2010およびOffice 365を主体としたITスキル講習の実施」や「支援を行なうNPOへのICT講師育成研修の実施」といった取り組みを通じて、被災地の就労を支援する活動だ。

 今回は、3月の開始を予定している被災者へのICTスキル講習に向けて、講師を務める現地のNPO法人のスタッフを対象として模擬講習を実施。その講習内容の一部を公開した。

参加したNPO法人
所属団体 活動地域 備考
@リアスNPOサポートセンター 釜石 震災以前からあるまちづくりを目的としたNPO。東北UPプロジェクトと釜石市緊急雇用事業を連携させる予定。
いわてNPO-NETサポート 大船渡、大槌、北上 震災前からあるNPOの活動基盤強化を目的とした中間組織。東北UPプロジェクトでは、おもに大船渡・大槌の仮設住宅の支援員に対して、ITスキル講習を実施予定
Save TAKATA 陸前高田 震災後に、県外に出た陸前高田出身者を中心に立ち上げたNPO。
BHN テレコム支援協議会 石巻、女川、登米 震災前からある情報通信の分野で途上国支援をしているNPO。3.11以降、被災地支援に取り組む。
寺子屋方丈舎 会津若松 震災前からある不登校・引きこもり・ニートと呼ばれる若者支援をするNPO。震災後は会津地域に避難してきた被災者の支援を実施(避難者の数は1万人を超えている)。

 模擬講習は日本マイクロソフトの仙台支店で開催。被災地から選ばれた5つのNPO団体から、13名が講習に参加していた。

 公開されたのは、2日間実施される講習のうちの「ICT講習ロールプレイ(模擬講習)」「クラウドサービスを活用した情報共有方法」の部分。講習には、今回のプロジェクトに参加する現地NPOのスタッフが13名参加した。

身振り手振りを交え、Excelを教える横澤京子さん。普段は、講師をアサインするなどマネージメントを担当しているという。緊張気味に講師役を務めていた

Wordの説明を終え、生徒役のスタッフからフィードバックを受ける阿部真司さん。言葉遣いなどの指摘を受けていた

 「ICT講習ロールプレイ(模擬講習)」では、Office2010の利用方法を講師役の現地NPOスタッフが案内。ほかのスタッフが生徒役となり、講習のロールプレイを進める形式だ。まずは、釜石市で活動している「@リアスNPOサポートセンター」の横澤京子さんが、講師役を務め、プロジェクターに映る画面を指し示しながら、Excelの操作の模擬講習を進めた。

 説明をひと通り終えると、本講習の講師や生徒役のスタッフから、教え方の良い点や修正点といったフィードバックが行なわれ、ロールプレイが終了となる。

 横澤京子さんのロールプレイが終わると、続いて、石巻市のNPO法人である「BHNテレコム支援協議会」の阿部真司さんが講師役を務め、Wordの操作を教えた。説明が終わると、横澤京子さんのときと同様に、本人へのフィードバックが行なわれ、ICT講習ロールプレイは終了した。

 今回の講習に参加したスタッフは、1か月後に試験が実施され、合格者だけが講師になれるという。

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