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Apple Geeks 第74回

iPhoneは「次世代リモコン」になりうるか?

2012年03月01日 14時30分更新

文● 海上忍

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リモコンアプリは「Digital Media Render」(DMR)で拡がる?

 従来のリモコンは、その名のとおり「遠隔操作」だけ考慮されていればよかった。しかしスマートフォンがリモコンの機能を兼ねるとしたら、スマートフォン側にあるリソースを活用したほうがいい。スマートフォン上のビデオ/音楽や写真もテレビ側に表示して、シームレスに楽しめるリモコンアプリがあれば、それに越したことはないはずだ。

 アップルは、すでにそれを「AirPlay」である程度実現している(関連記事)。しかし、現状「Apple TV」が必須となるため、視聴環境をApple TVを中心としたものにいったん切り替える必要がある。地デジを見ている途中で即座にスマートフォン上のビデオ/写真の再生を始める、といった使い方ができない。この“ひと手間”の解決には、テレビそのものの機能としてビデオ/写真を再生できるほうがベターだ。

「Apple TV」

 そこで注目したいのが、DLNAの規格のひとつ「Digital Media Render」(DMR)。テレビにDMR機能があれば、スマートフォン側から指定したビデオ/写真、そして音楽をテレビへ「プッシュ」できるのだ。SONY製品などDMR対応テレビは増えつつあるため、このような使い方が一般的になるのはそう先のことではないはず。スマートフォン側に、「Digital Media Controller」(DMC)と「Digital Media Server」(DMS)の機能を備えたリモコンアプリを提供すればいい話だろう。

 現在のところ、筆者の書斎にある「SONY BRAVIA KDL-40EX720」でそのような使い方をしようとすると、メーカーが提供するリモコンアプリ「Media Remote for iPhone」(無料)と、「DiXiM DMC」(350円)のようなDMC兼DMSとして動作するアプリのふたつを併用するしかない。無償公開されているDMC兼DMSアプリが複数存在していることからしても、それほど無理な注文ではなく、むしろメーカーの考え方次第と思うのだが……。

SONY製テレビを遠隔操作できるリモコンアプリ「Media Remote for iPhone」

YouTubeで検索するときなど、ソフトウェアキーボードで文字入力できるのは確かに便利だが、スマートフォンの性能をフルに発揮しているかどうかは?

「DiXiM DMC」を起動すると間もなく、DMR対応テレビが検出される

カメラロールなどiOS上のライブラリーからコンテンツを取り込み(直接撮影も可)、再生を始めるとすぐテレビに映し出される

Apple TVなしでも、AirPlayライクな再生が可能になる。iPhoneで撮影したビデオ/写真を大画面で見たいときに便利

 せっかくスマートフォンには立派な「頭脳」があるのに、テレビを遠隔操作するだけというのはいかにも惜しい。アップル製品に関していえば、DTCP-IPなど著作権保護されたコンテンツを再生するための実装もほしいところだが、すでにある実装の組み合わせで「新世代リモコン」が実現できるなら、それを期待するほうがよほど現実的ということもある。どうだろう?

Media Remote for iPhone App
価格無料 作者Sony
バージョン3.0.1 ファイル容量25.9 MB
カテゴリーエンターテインメント ユーザーの評価(2.5)
対応デバイス全機種 対応OSiOS 4.0
DiXiM DMC App
価格350円 作者DigiOn
バージョン1.2.4 ファイル容量2.6 MB
カテゴリーユーティリティ ユーザーの評価(3)
対応デバイス全機種 対応OSiOS 5.0

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