今回試用するのは、日本ヒューレット・パッカード(以下HP)のUltrabook「HP Folio13-1000」(以下Folio13)だ。その名の示すとおり、13型クラスの薄型ノートブックであり、高級感のある外観が特徴的である。
Ultrabookについては、先頭グループが製品を発売してからしばらく経つ(関連記事)。HPはそれらに遅れての製品投入、と言っていい。後から来たFolio13は、本命になり得るのだろうか? 低価格ノートとしての価値を中心にチェックしていこう。
シンプルで飾らない構成
タイプ感などは良好
HPのUltrabookは、現在2つのラインナップがある。今回紹介するFolio13と、14インチクラスの「HP ENVY 14 SPECTRE」だ。後者は先日発表されたばかりで、市場にはFolio13の方が先にお目見えしている。
Folioシリーズの特徴は、見てのとおりの金属ボディーだ。Ultrabookでは薄型化のためか、金属系素材のボディーを採用する例が多いが、Folio13もその例に漏れない。ただし、先行する各社製品と比べても、細部仕上げの高級感・精度は上だと感じる。上部がアルミであり、底面が樹脂系に覆われている。閉じた形状は「四角い板」であって、率直に言って芸はない。だが、遊びがない分シンプルで、清潔感のある構成だ。これで仕上げが悪いとがっくりするものだが、仕上げが良いのでむしろ好感触だ。他方で色気はないので、“人との違い”をアピールしたい人には不満だろう。
コンサバさを感じるのは、「薄型化」の面も同様だ。他社は薄さを強調するデザインを採用しているが、HPは採用していない。そもそも「Ultrabookだからとにかく薄く・軽く」とは狙わなかったのかもしれない。Folio13の重さは約1.5kg、厚みは約18mmだ。インテルの定めるUltrabookの定義には収まるが、他社製品に比べると重さは200~400g、厚みにして数mmは違う。箱状であることからも、Ultrabookというよりは「普通のノートパソコンが薄くなっている」くらいの印象を受ける。
コネクター構成なども、一般のノートパソコン的だ。コンシューマー向けと割り切っているためか、アナログRGB出力がない代わりにHDMI出力を搭載しているが、違いはそのくらい。背面にはコネクターを配置せず、すべて左右に振り分ける構成になっている。だからビジネスユーザーにはおすすめしかねるが、アナログRGB出力を必要としていないなら問題ないだろう。
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