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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第86回

遅れてきたUltrabook HP Folio13はライバルにどこで勝つ?

2012年03月01日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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 他方でプラスなのは、すべてのコネクターが「フルサイズ」であることだ。HDMI出力はもちろん、有線LAN端子もフルサイズ。特別なアダプターが必要にならないことと、シンプルに使えることを狙ったのだろう。

 とはいうものの、ACアダプターとそのコネクターまで大型なのは、ちょっと気にかかる。本体の横から棒状の電源コネクターがにゅっと突き出す構造は、美観的にもマイナスだ。

ACアダプターは無骨で大きめ。コネクターがまっすぐ棒状になっていて、本体から飛び出る感じになるところが気になる

 キーボードはHP製ノートとしては標準的な構成。タイプ感も悪くない。ボディー剛性が高いためか、たわみなどもまったく感じない。Ctrlキーの横幅が小さいところが筆者の好みには合わないが、配列面で気になるのはそのくらいだ。

キーボード。アイソレーション型で、キーサイズもほぼ一様。タイプ感はなかなかよく、タイプ音も小さい。タッチパッドはボタンがない「1枚」構成のものだ。本体上面は、すべてアルミで構成されている

 タッチパッドは、ボタンを一体化したタイプのもの。サイズも広めである。Folio13の良い点としては、このタッチパネルの操作感が良好なところが挙げられる。一般的な操作はもちろんだが、2本指によるマルチタッチ操作、特にスクロールの感度や操作感がいい。Windowsノートでは、この種の操作がぎこちないものが多いのだが、Folio13は悪くない。

 13型モデルくらいの大きさであればスペースに余裕があるため、タイプ中にタッチパッドに触れてしまって、誤動作することは少ないと思う。だが、そういった時のために、タッチパッドをオフにする機能もある。既存機種では物理的なボタンで実現しているものが多いのだが、Folio13では、タッチパッド左上をダブルタップすることで切り替わるようになっている。この操作にはちょっと癖があり、切り替えができるようになるまで慣れが必要だが、気になったのはそのくらいのものだ。

性能は「必要十分」
発熱とディスプレー品質に注意

 では性能面について触れていこう。Folio13のCPUは、Core i5-2467M(1.60GHz)。Core i7を搭載する競合のUltrabookに比べると、多少遅めのものである。だが一般的なアプリケーションを使うのであれば、もうこの程度の差はあってないようなものだ。Windowsインデックスエクスペリエンスの値は「4.7」。最低値は「グラフィックス」であり、CPUの値は「6.3」となっている。

Folio13のWindowsエクスペリエンスインデックスの値

 メモリーは4GB。こちらもビジネスアプリ向けならば、まあ問題ない。メモリースロットへのアクセスは容易ではないので、増設などはせず「このまま吊しで使う」ことを想定しているのだろう。

 動作の軽さに寄与しているのは、やはりSSDだ。Folio13は128GBのSSDを内蔵している。Windowsエクスペリエンスインデックスのトップ値は、これに影響される「プライマリHDD」の「7.5」で、この値は十分に納得できるものだ。

 バッテリー駆動時間テストツール「BBench」によるバッテリー動作時間のテスト結果は、省電力設定で約4時間40分、高パフォーマンス設定で約4時間8分。カタログスペックが“約9時間”とされているので、「おおむねそんなものだろう」という範囲に留まっている。バッテリーの交換はユーザーでは行なえず、大容量バッテリーも用意されていない。本当に長時間バッテリーだけで使おうと思うと、もう少し長い方がありがたい、とは思う。

BBenchによるバッテリー駆動時間テスト
高パフォーマンス設定 省電力設定
約4時間8分 約4時間40分

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