データベースに最適化されていない情報をどう扱うか
このなかで、特筆すべきは、その8割を非構造化データが占めるとみられている点だ。
非構造化データとは電子メールや画像、動画などを指す。TwitterやFacebookでの書き込みはすべて非構造化データに分類される。
これに対して、構造化データとはデータベースの利用に最適化したデータであり、身近な例をあげれば、Excelのデータなどがこれにあたる。社内で利用している販売データ、社員データなども構造化データに含まれる。
ビッグデータ時代の特徴は、これまでのコンピュータ処理の中心であった構造化データではなく、文字や映像などの非構造データが約80%を占めている点にある。
言い換えれば、ビッグデータ時代とは大量のデータが活用されることだけを指すのではない。非構造化データを、いかにうまく扱うかが鍵となる。つまり、従来のコンピュータシステムでは、データの活用に限界があるということになる。
ここに、ビッグデータ時代の本質がある。
大量のデータが発信され、その情報が蓄積され、そこから分析を行い、予測を行うことで、ビッグデータの価値が高まるというビッグデータ時代の到来は、既存の情報システムの考え方では、立ち行かないという状況を招く。
大量のデータを従来のITシステムの延長線上で、保存したり、分析したりといったことはもはや不可能であり、ビッグデータ時代の新たな情報システムの形が求められる。
日立製作所では、「情報システム技術と制御システム技術が重視される時代がやってきた。仮想化、セキュリティ、大規模高信頼データベース、シミュレーション技術や解析技術、高速トランザクション技術、制御用ミドルウェアといった技術が求められ、数理解析のノウハウもこれまで以上に活用される」と語る。
より高度なコンピューティング環境へと刷新する必要があると言えよう。
ビッグデータ時代は、単に情報が膨れ上がるだけの事象ではない。これまでのコンピューティング手法では通用しなくなる時代が訪れることこそが本質的な変化なのだ。
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