ソニーから、デジタルビデオカメラ「ハンディカム」の新機種全7機種が一斉に発表となった。このうち3機種がプロジェクターを内蔵し、1機種が3Dモデルとなる。
プロジェクター内蔵のハイエンドモデル
「HDR-PJ760V」
従来のプロジェクター内蔵機「HDR-PJ40V/PJ20V」はミドル~ローエンドクラスのモデルだったが、今回は最上位機種となる「HDR-PJ760V」(予想実売価格14万円前後)にもプロジェクターを搭載。輝度が従来の10ルーメンから20ルーメンにアップし、投影サイズも従来の60型(3mの距離)から100型(5mの距離)と大きくなった。さらにアクセサリーシューに別売のスピーカーを装着することができ、より臨場感のある音を再生できるようになった。
液晶(3型)はタッチパネル式で、プロジェクター投影時は非表示となるが、パネルにタッチするだけで液晶画面表示に切り替わり、音量調整や早送り/巻き戻しなどの操作が素早くできるようになっている。
なお、PJ760Vはプロジェクターと液晶パネルに加えて、可動式の電子ビューファインダー(EVF)も装備している。
また、新開発の「空間光学手ブレ補正」を搭載しているのもポイント。従来は複数のレンズのうちの1つを動かして手ブレを補正していたが、空間光学手ブレ補正はレンズ群と撮像素子を1つのユニットとしてまとめ、それを動かす仕組みになっている。
これにより手ブレ補正エリアが拡大し、ズーム時でもワイド撮影時と同程度の手ブレ補正効果を実現した。さらにレンズをまとめたことで理想的な光学配置をキープできるため、画質の劣化(明るさの劣化)が少ない。
レンズはカールツァイスの「Vario-Sonnar T*」を採用。光学10倍ズームが可能で、ハンディカムシリーズ初となる広角26mmの撮影に対応する。また、画素の一部を切り出して画質を落とさずに拡大する「エクステンデッドズーム」も、従来の14倍から17倍にアップしている。
撮像素子は610万画素(動画撮影時)の「Exmor R」CMOSセンサーを採用。静止画撮影時は、画像配列を45度回転させた「クリアビット配列」で2倍となり、超解像技術(全画素超解像)でさらに2倍、合計で2410万画素相当の撮影が可能となっている。
マニュアル撮影機能も搭載しており、ゲインアップに上限を設けることでノイズを低減できる「AGCリミット」機能を新たに搭載。
一方でオート撮影モードでは、風の強さを判別して風切り音をカットする「自動風ノイズ低減」機能や、顔認識機能で人がメインの被写体になっている場合に、その人の話し声以外のノイズをカットする「くっきり音声」機能などを新たに搭載する。
そのほか、従来どおりGPS及び電子地図を内蔵するが、地図の掲載国・地域が45エリアから79エリアに拡大し、地図自体もより詳細な表示が可能となった。
なお、プロジェクターとEVFを内蔵せず、内蔵メモリーが64GBの「HDR-CX720V」(予想実売価格12万円前後)も登場。上記以外の機能はPJ760Vと同じとなる。発売日はどちらも3月9日の予定。
売れ筋モデルの後継機にも
プロジェクターを内蔵
ミドルクラスモデルで売れ筋機種の「HDR-CX560V」の後継機種となる「HDR-PJ590V」(予想実売価格10万円前後)もプロジェクターを内蔵。しかしながら本体サイズはCX560Vの幅62×奥行き133.5×高さ67mmから、幅58.5×奥行き128×高さ64.5mmと一回り小さくなっている。
CX560Vと比較して、光学ズームが10倍から12倍、エクステンデッドズームが14倍から20倍になり、静止画記録は超解像技術により1200万画素から2040万画素にアップしている。ただし撮像素子(Exmor R CMOS)は1/2.88型の614万画素(動画撮影時)から1/3.91型の543万画素となり、サイズ、解像度ともにダウンしている。
PJ760V/CX720Vの自動風ノイズ低減やくっきり音声、GPS&電池地図などに加え、新しいマニュアル撮影アシスト機能を搭載。フォーカスの合っている部分を強調する「ゼブラ&ピーキング」や映画風の映像に仕上げる「シネマトーン」などが加わっている。そのほか、レンズフードも新たに同梱される。
なお、PJ590Vからプロジェクター機能を省いた「HDR-CX590V」(予想実売価格9万5000円前後)も同時に発売される。発売日は1月20日だ。
