iCloudの「変わらない」部分を生かす
今回の仕様変更が意図するところは、キャッシュなど重要性の低いデータをバックアップ対象から外すことで、バックアップの負荷軽減とiCloudのディスク消費量節約を図るためと推測される。我々エンドユーザーとしては、今後バックアップから復元するとキャッシュなど一部データが消えることになるため、十分留意しておきたい。
しかし、見方を変えれば、このような一般公開される文書でバックアップ対象が明示されたということは、その対象領域には今後も安心してデータを保存できるといえる。iOSではデータの保存場所をアプリが決定することが多いが、iCloud対応アプリ(明示的にiCloudストレージ上へデータを保存するアプリ)の場合、専用のDocumentsフォルダーをOS X Lionの「~/Library/Mobile Documents
」フォルダー以下に作成し、以後自動的に同期するようになる。そこへ文書を保存すれば、iCloudストレージにバックアップされるはずなのだ。
たとえば、「GoodReader for iPhone」のDocumentsフォルダーは、「~/Library/Mobile Documents/JFJWWP64QD~com~goodiware~GoodReader/Documents
」としてアクセスできる。
プレゼンアプリ「Keynote」ならば「~/Library/Mobile Documents/com~apple~Keynote/Documents
」、「Pages」ならば「~/Library/Mobile Documents/com~apple~Pages/Documents
」だ。
試しに、Cocoa Emacsで「~/Library/Mobile Documents/JFJWWP64QD~com~goodiware~GoodReader/Documents
」にプレインテキストファイル(UTF-8エンコード)を直接保存したところ、数秒後にはGoodReaderから参照できた。
「設定」のiCloud管理画面で確認したところ、そのファイルは意図どおりバックアップ対象に含まれていた。見方を変えれば、Time MachineとiCloudの両方でバックアップされるわけで、文書の安全対策としては万全といってもいいはずだ。
なお、OS X Lionでは、ライブラリーフォルダーは不可視扱いのため、一般的なCocoaベースのテキストエディターでは直接「~/Library
」以下の領域を指定できない。Emacsに興味はない、Terminalからcpコマンドでコピーするのはイヤだ、というユーザーは、前述のフォルダーのエイリアスをデスクトップに作成するなどの方法で対処してほしい。
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GoodReader for iPhone ![]() |
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価格 | 450円 | 作者 | Good.iWare |
バージョン | 3.11.1 | ファイル容量 | 22.6MB |
カテゴリー | 仕事効率化 | ユーザーの評価 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
対応デバイス | 全機種 | 対応OS | iOS 3.1以降 |
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GoodReader for iPad ![]() |
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価格 | 450円 | 作者 | Good.iWare |
バージョン | 3.11.0 | ファイル容量 | 12.9 MB |
カテゴリー | 仕事効率化 | ユーザーの評価 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
対応デバイス | iPadシリーズ | 対応OS | iOS 3.2以降 |
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Keynote ![]() |
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価格 | 850円 | 作者 | Apple |
バージョン | 1.5 | ファイル容量 | 114.8MB |
カテゴリー | 仕事効率化 | ユーザーの評価 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
対応デバイス | iPod touch(第3世代以降)/iPhone 3GS/iPadシリーズ | 対応OS | iOS 5.0以降 |
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Pages ![]() |
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価格 | 850円 | 作者 | Apple |
バージョン | 1.5 | ファイル容量 | 95.0MB |
カテゴリー | 仕事効率化 | ユーザーの評価 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
対応デバイス | iPod touch(第3世代以降)/iPhone 3GS/iPadシリーズ | 対応OS | iOS 5.0以降 |

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