11月3日から6日までの4日間、「楽器フェア2011」が、横浜みなとみらいのパシフィコ横浜で行なわれた。
……という出だしで、すでに様々なWeb媒体に記事は上がっているだろうし、普通に取材してもつまらない。そこで今回はニコニコ動画で活動する、1mm♪などのバンド活動でもおなじみ、ド派手なサンバ野郎にしてパーカッショニストにして一人何役でもやる、手タレPを「楽器コンシェルジュ」としてお招きした。実際、彼はブラジルに修行に出かけるなど、各国の楽器や音楽に造詣の深いインターナショナルな人なのだ。
そんな我々が出かけたのは、初日の3日。祝日ということもあり大勢のお客さんで賑わっていたが、特に楽器を前にした小さな子供たちのはしゃぎっぷりを見て、我々大人もハッピーな気分に。「音楽不況をどうやって生き延びるか」と眉間にシワを寄せているのは大人だけで、音楽の未来は明るい!
それでは手タレPと行く楽器フェアへ、レッツゴー!
手タレPは国内での演奏活動に飽きたらず、南米に渡ってサンバの修業を重ね、去年日本に帰ってきたパーカッショニスト。その帰国第一作がこちら |
マウス操作でオフボーカル版ができる
Roland R-MIX
今回のフェアの目玉の一つが、ローランドのソフト「R-MIX」のお披露目。ステレオにミックスされた音楽の中から、特定の楽音だけを選別するという「V-Remastering」という技術を使った話題の製品だ。
このソフトが行なうのは、まずオーディオファイルを解析して、その楽音成分を可視化すること。たとえばセンター上に位置する赤い箇所はボーカル、その下がベース、左右に定位しているのがギターというように、少人数のアンサンブルなら、比較的分かりやすい形で表示できるようだ。
これを画像処理ソフトの要領で範囲を指定し、特定の音源だけを選択して、操作できる。たとえばボーカルのみ抜き出し、音量や定位を変え、エフェクトをかけるといった操作が簡単にできてしまうのには驚いた。もっと積極的にバッキングトラックを差し替えたり、ボーカルを違うトラックに載せ替えたりというリミックスもできるはず。
R-MIXのWindows/Mac OS X版の発売は2012年1月、価格は2万円程度の予定。読み込めるオーディオファイルは44.1/48kHz、16bitのWAV(Mac OS X版はAIFFも可)で、編集した内容は44.1kHz/16bitのWAVファイルに書き出せる。
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