四本淑三の「ミュージック・ギークス！」 第77回

業界は不況でも、音楽の未来は明るい！――楽器フェア2011

monotron DUO / DELAYと 銀のmonotronと金のmonotribe
そしてなぜか「けいおん!!」

　KORGブースではこの日発表になったmonotronのシリーズバリエーション「monotron DUO」と「monotron DELAY」 が試奏コーナーに大量配置されていた。

　monotron DUOは2VCOとなり、往年の名機Mono/Polyのようなクロスモジュレーションがかけられ、今まで音程の取りにくかったリボンコントローラーには、monotribeのようなスケール機能がついて、明快な音階で演奏が可能に。

　monotron DELAYはテープエコー風のディレイマシンを内蔵し、やたらめったらにスペーシーなサウンドと、フィードバックによるループサウンドが楽しめるようになっている。リボンコントローラーは4オクターブの幅を持ち、音には関係ないがブラックライトで光る蛍光塗料が使われているという、DJの飛び道具仕様。

　そしてKORGブースもうひとつの目玉が「KORG monomania」と題する、YouTube投稿コンテストの賞品なのだ。このコンテストの受賞作がコルグブースで発表され、最優秀作品の投稿者に贈られる特製シルバープレーテッドエディションのmonotronと、monotribeがお披露目された。これが、実にギラギラとしていてすごいのだが、それだけではなかった。

　「お前の落としたmonotribeは銀のmonotribeか？ それとも金のmonotribeか？」
　「いいえ、私が落としたのは黒のmonotribeです」
　「よろしい、正直者のお前には金のmonotribeを授けよう」
　「わーい！」

　という寸劇でもイメージしたのかどうなのか、なんとKORGの人たちは金のmonotribeを隠し持っているらしいのだ！！

特製「銀のmonotron」。塗装ではなく本当に銀メッキしてあるらしい。中身は普通のmonotronと同じでも、シールド効果で音も良かったりして

こちらが「銀のmonotribe」。なにかもう60年代のSF映画に出てくるヤバい装置のようでカッコ良すぎ

　これからKORG USA、KORG UKでも「KORG monomania」と同様のコンテストが行なわれ、それぞれ受賞作が発表される。それと日本国内の受賞作を合わせ、世界中から集まった選りすぐりの作品に与えられるのが「ワールドワイドグランプリ賞」。その賞品として発表されたのが、monotron DUO / DELAYのシルバープレーテッドエディション、そしてゴールドプレーテッドエディションのmonotribeなのだ。銀じゃなくて金！ しかも24金！！

　このワールドワイドグランプリ受賞作の発表は「Winter NAMMショー」開催期間の、2012年1月19日から22日の間に行われる予定。日本からでもKORG USA、KORG UKのコンテストには応募可能！ 今からでも間に合う。急げ！

　さらにコルグは「けいおん!!」のキャラを使った、VOXブランドのギター/ベース用ヘッドホンアンプ「amPlug」の新バージョンを展示していた。単にキャラクターをあしらっただけのバージョンと思いきや、アニメの中で使われている音色を意識してチューニングしているというのだ。さすが！

　平沢唯バージョンは"amPlug Lead"をベースに「2000年代のイギリス製スタックアンプの改造版サウンドを再現」し、ギブソン・レスポールのギー太に最適化した音色設定らしい。

平沢唯バージョン。「どうしてこうなった」という出来

　中野梓バージョンは、“amPlug NightTrain”をベースに「80年代のイギリス製スタック・アンプ系のサウンドを再現」したらしい。これはあずにゃんの愛器 “むったん”、すなわちフェンダー・ムスタングに最適化してあるという。

　そしてベースの秋山澪バージョンは、もちろんフェンダー・ジャズベース“エリザベス”に最適化された設定で、70年代のアメリカ製ベースアンプをシミュレートしているという。

　一体誰なんだ、こんな凝ったことをしているのは？　というわけで只今、この件でKORGに取材交渉中。amPlugけいおん!!の各モデルは5000台の限定販売で、2011年12月上旬発売予定。

KORGの現行製品とは関係ないものの、実は展示エリア外の物販コーナーでお宝を発見。絶版になってマニアの間で高値で取引されているKORG Legacy CollectionのMS-20コントローラーが、なんと1万円で！