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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第224回

「NEX-5N」ならではの楽しい猫写真を撮る

2011年11月04日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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「ピクチャーエフェクト」を駆使して
写真をイメージ通りの仕上がりに

 続いて、2011年モデルから採用された(旧モデルでもファームアップで一部使えるようになる)「ピクチャーエフェクト」から。

 ピクチャーエフェクトはいわゆる“デジタルフィルター”類のことだが、NEX-5Nがいいのは、「プレミアムオート」やP/A/S/Mの各マニュアル系モード内でエフェクトをかけられること。

 自分でこのシーンはこういうセッティングで、と細かくセットしたあとでエフェクトも追加できるので応用が利くのだ。

道路脇でこっそり毛繕いする白黒猫を「ハイコントラストモノクロ」で。わざとコントラストを上げることで、キリっとしたモノクロ写真になる(2011年10月 ソニー NEX-5N)

道路脇でこっそり毛繕いする白黒猫を「ハイコントラストモノクロ」で。わざとコントラストを上げることで、キリっとしたモノクロ写真になる(2011年10月 ソニー NEX-5N)

 まずはけっこう好きな「ハイコントラストモノクロ」から。昔のモノクロ写真みたいにコントラストが高くてくっきりした写真にしてくれる。これは楽しい。昭和っぽい背景で撮るとなお楽しい。

 ピクチャーエフェクトのモノクロにはもうひとつ「リッチトーンモノクロ」というのがある。ハイコントラストとは別に、明部も暗部も階調をしっかりと残したモノクロ。実はHDR撮影をしてモノクロ写真を作っている。だから明暗差が大きな構図や、柔らかいモノクロ写真を撮りたいときにいいのだ。

 例えば日向の白い大五郎と、逆光の茶色いかふかを一緒に撮りたいとか。

かふかと大五郎がうまく重なるよう望遠にして逆光で撮ってみた。ハイコントラストモノクロと比べてしっとりと柔らかく仕上がるのがリッチトーンモノクロの特徴。順光だともっとやわらかな階調を楽しめる(2011年10月 ソニー NEX-5N)

かふかと大五郎がうまく重なるよう望遠にして逆光で撮ってみた。ハイコントラストモノクロと比べてしっとりと柔らかく仕上がるのがリッチトーンモノクロの特徴。順光だともっとやわらかな階調を楽しめる(2011年10月 ソニー NEX-5N)

 飼い猫の寝姿をひたすらかわいく撮りたい人は「ソフトフォーカス」。これはもうふんわりふわふわと撮ってくれるので、プラスの露出補正をかけて明るめにしたい(前ページ冒頭写真)。

ポップカラーにしたおかげで西日の赤みが強調されて派手な感じに。天気のいい日はわざとこってりさせてみるのも(2011年10月 ソニー NEX-5N)

「ポップカラー」にしたおかげで西日の赤みが強調されて派手な感じに。天気のいい日はわざとこってりさせてみるのも(2011年10月 ソニー NEX-5N)

 逆にハデハデな色使いをしたいときは「ポップカラー」。猫の毛の色や背景の緑や青空なんかが派手になる。天気がいい日は嘘くさいほど派手に撮るのも一興。

 そして最後は「絵画調HDR」。ハデハデなんだけど、HDRで撮影して合成するときに、なんかいろいろな処理をしてコテコテな絵画っぽい感じに仕上げてるわけだ。

「絵画超HDR」は本来、こういう風景っぽい写真に向いている。もちろん猫も写っております。左下あたりに(2011年10月 ソニー NEX-5N)

「絵画超HDR」はこういう風景っぽい写真に向いている。もちろん猫も写っております。左下あたりに(2011年10月 ソニー NEX-5N)

 これでチャトラとかキジネコとかサビネコとか、そんなくっきりした模様の猫にかけると毛がとんがって毛並みがすごく目立って面白いんだけど、向いているのは風景。緑や空や葉っぱに派手に効果がかかって、こってりした猫風景写真にしてくれる。

 ほかにもピクチャーエフェクトはあるけど割愛。使っているうちに、好きなエフェクトもできてくるし、慣れてくれば「あ、このシーンはこのエフェクトを使うとイメージ通りに仕上がるかも」って思えるようになってくる。こういう、一見キワモノっぽい機能もそうなってくると楽しいのである。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイ ン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩で、天気がいい日は自転車で都内を走りながらネコを探す日々。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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