NECとの連携は進んでいる
最後にNECとの連携に関して。7月の合弁以降、現在はフェーズ2の段階にあるというが、合弁のひとつの肝であった、調達コストの削減に関しては着実な成果が上がっているようだ。
留目 「調達コストに関しては7月から合弁会社が発足し、サプライヤーとの正式な契約が可能となっています。大きなところではCPUやOSといった部品の調達が始まっており、スムーズに進んでいると感じています」
コスト削減に関しては何段階かのプロセスを経ていく形になるそうだが、PCのビジネスとしてはレノボだけでなく、NECも非常に好調。いいサイクルを作っていければと留目氏は話す。スケールしていけばコストが下がり、下がったコストで、開発への投資や新しいビジネスが可能になるのは言うまでもない。
一方でパソコンユーザーとして関心があるのは、両者の連携によって、どんな価値を提供する製品が登場してくるかだろう。これに関しては現時点で決まっていることは何もないが、熱心な意見交換を継続しているのだそうだ。そして改めて以下を強調した。
留目 「NECは不動のナンバーワンであり、その歴史は日本のPCマーケットの歴史と言っていい。それを無理に違う形にはしません」
取材を通して印象的だったのは、スケールのないITはあり得ない。だからこそグローバルを目指すことが必然。そしてそこで勝ち残っていくことには本当の強みを持つ必要があるという一連のお話だった。逆に言えば、自分たちの強みを見つけられなければ、ハード以外の事業に取り組んだところで結果は同じである。
技術・生産管理・サービスサポート。日本はいいものをたくさん持っている。それを世界で輝かさないといけない。レノボがNECから学ぶべきことは多いと留目氏は話す。
PCのビジネスが難しいものになっている点は、様々な状況から考えて間違いはないだろう。しかしその中で、レノボは着実な成長とビジネスの拡大を続けている。