接続ユーティリティーはほとんど設定の必要なし
ユーティリティーソフトは携帯電話の待ち受け画面風のデザインで、電波状況は右上にアイコン表示される。各種設定画面もここから呼び出すことが可能だが、設定変更が必要な項目は特にない。
複数のSIMを所有するユーザーが接続プロファイルを複数作成するくらいだろう。ただ、ここで累計の送受信量の確認やクリアができるので、パケット数の確認作業ではお世話になりそうだ。
回線接続はユーティリティーソフトの左下にある接続ボタンで実行する。接続が確立するまでの時間はおおむね10秒程度と早いため、ストレスは感じなかった。
最大速度は約6Mbpsとやや低めの数値
でもアンテナ感度は高い
それでは実際に接続して通信ベンチを行なった結果を見てみよう。テストはすべて東京都内で行ない、PCはCPUにAtom Z530(1.6GHz)を搭載するミニノート「FMV LOOX U/C40」を使っている。
通信速度は、下りの最大速度は感度良好なポイントで6Mbps前後、悪くなると2~3Mbpsにまで下がってくる傾向のようだ。理論値が最大42Mbpsであることを考えるともう一声欲しいところだが、Webの閲覧やメール受信をストレスなく行なうには十分な速度である。
同じ回線網を使う「ソフトバンク ULTRA WiFi SoftBank 007Z」と比較すると、最大速度が半分程度なので、DC-HSDPAの2帯域同時通信がうまく行なえなかったのかもしれない。ただ、SoftBank 007Zも最大速度では安定しにくく、最大速度の半分の状態が通常だったので、実際に使うときの差はそこまで開かないだろう。
アンテナ感度はHX008ZTのほうが高いらしく、屋内やビルの谷間といった測定ポイントでも安定して通信が行なえた。特に屋内でのテストは、ビルの内部の奥のほうに入っても通信が行なえるという感触で、自宅や職場でも利用したいというユーザーにはなかなか魅力的だと言えるだろう。
個人ユーザー向け新規プランをぜひ!
ウィルコムの3Gデータ通信はソフトバンクのULTRA SPEED網を利用しているため、速度的には魅力があるのだが、新規ユーザー向けのプランは法人プランのみで、個人ユーザー向けは既存PHSユーザーを対象としたアップグレードプランしかないのが残念なところだ。
ソフトバンクのULTRA SPEEDは今年の2月にスタートしたばかりなので、まだ回線網に余裕がなく、あまりユーザー数を増やせないのかもしれない。今後ULTRA SPEEDのインフラの整備が進み、ウィルコムからも個人ユーザー向けの新規プランが用意されることを期待したい。
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