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クルマの、そしてレースの未来が垣間見えた!

乾電池で鈴鹿を走る! Ene-1 GP SUZUKAレポート

2011年08月30日 17時00分更新

文● 中村信博 ●写真/うえのふみお

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エコカーの祭典が鈴鹿サーキットで開催された

 8月7日(日)、“モータースポーツの聖地”として名高い三重県の鈴鹿サーキットで、「2011 Ene-1 GP SUZUKA」というイベントが開催された。実は、筆者はこの前日に行なわれた「FIA ALTERNATIVE CUP ソーラーカーレース鈴鹿」に、某誌の取材班として入場していた。そしてサーキットに到着して、パドックビル2階にあるメディアセンターでパンフレットをチェックしていたとき、翌日に行なわれるイベントの説明に目が釘付けとなってしまったのである。

単三電池40本を動力としたマシンで、鈴鹿の国際コース5.807kmのタイムアタックを行なうだと……!?

 なんだそりゃ! そんなことが可能なのか!?

 単三電池40本。言葉にすれば簡単だが、具体的に考えてみると実はドライヤー2つを少しの間、動かせる程度の電力でしかない。そんなわずかな電気だけで、鈴鹿の国際コースを人間を乗せたクルマが走りきることなんてできるのか。これは途方もない挑戦のような気がする。

 某誌の取材は、土曜日のソーラーカーレースだけ。だったら日曜日のこんな面白そうなイベントを、モータースポーツ大好き人間である筆者が取材しないわけにはいかない!!

 こういうときに頼りになるのが、「面白いことなら何でも紹介するぜ!」と豪語するASCII.jp。さっそく編集部に連絡を取り、日曜のイベントはASCII.jpで取材することが決定した。

 「Ene-1 GP SUZUKA」は、今年から始まったまったく新しいイベントだ。次世代の自動車文化を担うといわれる電気自動車のパフォーマンスを競うイベントとして、鈴鹿サーキット国際レーシングコースを舞台に開催される。大会は2つのカテゴリーが開催され、ひとつが冒頭でご紹介した充電式単三電池40本を動力とするマシンでタイムアタックする「KV-40」、もうひとつは電気式四輪車両の3種目混合競技である「EVパフォーマンスチャレンジ」だ。

 KV-40は3つのクラス分けがされていて、まず車両重量制限35kg以上、キャパシタ装着なしの「KV-3クラス」。車両重量制限なし、キャパシタ装着なしの「KV-2クラス」。それに車両重量制限なし、キャパシタ装着ありの、実質的な無制限クラスである「KV-1クラス」だ。KV-2、3に関しては高等学校部門も設けられていて、全国から多くの高校生たちがクラブ活動で製作したマシンとともにやって来ていた。

筆者がサーキットに到着したその頃、ちょうど公式車検の真っ最中だった

車検前に準備を進める各マシン。どのマシンも空気抵抗を減らすため、極限まで低い車体となっている

まずマシンにドライバーが乗車してカウルがかぶせられ、視界が確保されているかをチェック

続いてマシンが乗せられた水平板ごと人力で傾斜され、問題なくブレーキが利いているかが検査される

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