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往年の名作がハンゲームでブラウザーゲーム化

今度は美少女!?「ブラウザ カルネージハート」正式サービス開始

2011年08月18日 15時00分更新

文● キーオ林

 さて、ここまでブラウザ カルネージハートに関して、ざっと説明してきたが、なかなか一筋縄ではいかないタイトルであることがある程度、わかっていただけたのではないかと思う。

 そのようなタイトルをオンラインPCゲームポータルサイトとして日本最大のユーザー数を誇る「ハンゲーム」で運営する狙いはどこにあるのだろうか? NHN Japanに赴き、サービス開始前のゲームに触らせてもらいつつ(取材はOBT前)、コンテンツ企画事業部の及川信正氏に話を伺ってみた。

ブラウザーゲームらしからぬ異例の作り込み

―― ブラウザ カルネージハートの企画はどのくらい前から立ち上がったのでしょうか?

NHN Japanコンテンツ企画事業部の及川信正氏。ブラウザ カルネージハートに携わる前から、OKEをデザインした横山宏氏のファンだったとか

及川 「話が上がったのは、2008年末です。ブラウザーゲームは基本的にライトなゲームが多いのですが、ここまで作りこんでいるタイトルは珍しいかもしれません」

―― ゲーム開発自体はカルネージハートシリーズを作ってきたアートディンクが担当しているとのことですが、NHN Japanはどのくらいゲーム内容に関わっているのでしょう?

及川 「コアなファンが多く、扱いがデリケートなタイトルですので、ゲーム内容自体はアートディンクに100%任せています。オンラインゲームに落としこむ際の、たとえば課金ですとか、そういった運営部分では弊社からも意見を出して協議する形でしたね」

―― 一緒に仕事をするパートナーとしての、アートディンクの印象は?

及川 「すごく真面目な会社という印象を受けました。運営側の意見も聞いてくれるし、柔軟に対応してくれます。個人的に、アートディンクは職人気質なイメージがあったので『頑固なところもあるんじゃないか』とビクビクしていたんですよ(笑)。でも、蓋を開けたらすごくフレンドリーで安心しました」

“課金するだけ強くなる”タイプのゲームではない

―― ブラウザーゲーム化する際に、運営として苦労された点などを教えてください。

及川 「まず最初に当たった壁は、5000円出せばPSPソフトの最新作が買えるのに、どうしてユーザーがオンラインでお金を払ってカルネージハートをやるんだろう? という疑問をどうクリアするかでした(笑)。

 『単純に“お金をかければ強いOKEができあがる”ではダメだ』という共通認識も(開発と運営双方に)ありました。OKEのプログラムに関しては、課金/無課金関係なく公平に組める物として、今の形に落ち着きました」

課金/無課金問わず、使えるプログラムチップに変わりはない。もちろん、課金で戦闘用のパーツや、OKEの上位機種を入手すれば、戦闘で優位に立てるかもしれないが、いくら外側が良くなっても、やはり中身が伴わなければ厳しい戦いを余儀なくされるのがカルネージハートの面白さ。優秀なプログラムこそ真の強さなのだ

まず既存ユーザーが“スタープレイヤー”になってほしい

―― 想定しているユーザー像は?

及川氏「ブラウザ カルネージハートは、海外展開も視野に入れています」

及川 「シリーズの既存ユーザーを取り込むことが第一目標ですね。彼らがスタープレイヤーとなって盛り上がって、それから新規ユーザーが入ってくれれば、と思っています。

 カルネージハートシリーズの従来のお客様はすごく熱心で、通常のパターンだとこういったコンシューマゲームをオンライン化する際は、“敷居を低くするためにブラウザーゲーム化する”方法を採るんですけど、そういうことをしなくても彼らは敷居を乗り越えて来るんですよね。

 ではなぜブラウザーゲームにしたのかとよく訊かれるんですけど、日本国内だけではなく、海外での展開も見据えているからです。

 実際、クローズドβテスト(CBT)時に、国外のネットゲームのポータルサイトを持っている会社からいくつか問い合わせをいただいていまして、関心を持たれている手ごたえがあるんですよね。海外で展開するにはブラウザーゲームのほうがユーザーが集めやすいといった事情も手伝って、このような形になっています」

システムは媚びないのがカルネージハート

―― なるほど。それにしても、まずは既存ユーザー狙いでゲームを開発していくというのは、オンラインゲームでは珍しい印象もありますね。

及川 「既存ユーザーに向けてアピールを始めて、それから新規も取り込むという特殊な流れに関しては、アートディンクさんとかなり協議しました。とりあえず最初に出た意見はカルネージハートでいきなり新規ユーザーを取るというのは現実的ではない、と(笑)。

 当然、アートディンクさんは新規プレイヤーを得ようといろいろ試行錯誤したと思うんです。しかし一方で、16年経った今でもゲームシステムは大きく変わらずに継承されている。中心となるシステムは媚びてない。そこをライトにしたらカルネージハートではなくなるからです。

 それを尊重すると安直に『新規ユーザーを狙っていこう』というスタンスにはなり得ません。コンシューマゲームを作ってきたゲーム会社さんと組んで既存ゲームを展開していくときは、“どうやって(元のゲームの長所を損なわずに)オンラインゲーム化するか?”が最初の壁になります。タイトルをお預かりするにあたって、細心の注意を払う箇所ですね」

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