続く「Revision 2.2」は1998年12月にリリースされたが、Revision 2.1と比べて大きな変更はない。主な変更点は「ECN」(Engineering Change Notification)と呼ばれるエラー修正や仕様変更の対応と、「MSI」(Message Signaled Interrupt)と呼ばれる割り込み通知機能の追加が主な違いとなっている。
「Revision 2.3」は、2002年3月に発表された。これは「Revision 3.0」に移行するための、前段階とでもいうべきものである。Revision 3.0の主要なトピックは「5V Signaling」の廃止であり、Revision 2.3ではこれに先立ち、5Vのみの拡張カードのサポートが廃止されている。5V/3.3V両対応のカードは利用可能で、実際には5Vでの信号のやりとりも可能なのだが、強制的に5Vのみのカードを排除する形で3.3Vへの移行を進めるというものだった。
そして2004年4月には、PCIの最終版であるRevision 3.0が登場。拡張カードのみならずオンボードデバイスでも5Vのサポートが省かれた。
PCIを超える2つの規格
AGPとPCI-X
PCIはこんな具合に発展してきたわけだが、このPCIを拡張したバス規格が2種類存在する。ひとつが「AGP」で、PCI 2.1をベースに2倍速転送をサポートするなど、性能面での強化を計っている。ただしその一方で、AGPは原則としてグラフィックスカード1枚だけを接続すればよいということで、いくつかの機能は省かれている。
このAGP 1.0をさらに高速化すべく、信号電圧を1.5Vに落とすと共に4倍速転送モードを追加したのが、1998年5月に発表された「AGP 2.0」だ。いわゆる「AGP 4X」と言うのが、このAGP 2.0である。さらに2002年9月には、信号電圧を0.8Vに落として8倍速モードを追加した「AGP 3.0」がリリースされる。このAGP 3.0では1x(66MHz)や2x(133MHz)の転送モードは省かれて、4x(266MHz)および8x(533MHz)のみのサポートとなっている。
もっとも、このAGPはご存知のとおり、3Dグラフィックスカードで「テクスチャーデータをメインメモリーからビデオメモリーへと高速に転送する」という目的で作られたもの。バスの構造もこれにあわせて最適化されているし、ソフトウェアの面でも「GART」(Graphics Address Remapping Table) Driverを使うことが前提となっているなど、汎用的な用途では使いにくい。
特にサーバーなどの分野では「PCIでは帯域が不足する」というシーンが出てきていたために、1999年9月に制定されたのが「PCI-X」である。ロードマップ図では「32bit/64bit」と書いてあるが、これは単に32bitとの互換性も保っているという意味であって、基本的には64bit幅のバスを前提としている。信号電圧は3.3Vのみとして、その代わり100MHzおよび133MHzでの信号伝送をサポートしている。
ただしその分、同時に利用できる拡張スロットの数は当然減ることになる。33MHzのPCI Busの場合、最大15デバイスか拡張スロットを7本まで接続が可能で、実際この限界いっぱいの構成をとった製品も存在する。だが、PCI-Xはスロット数がこれよりも減ることになる。PCI-Xの仕様書には最大スロット数などの明確な定義はないが、実際のチップセットの仕様を見ると、1セグメントあたり66MHzなら4スロット、133MHzなら1スロットが可能になっている。
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