“地球を闊歩する人”というイメージをメーカー名にした「Globe-Trotter」(グローブ・トロッター)は、有名な英国のスーツケースメーカーだ。筆者は、コレクションしていたゼロハリバートン製品の重さに体力が付いていかなくなった10年ほど昔、「紙でできているのなら、きっと軽いだろう」と高をくくって、グローブ・トロッターのアタッシェケースを買ったことがある。
確かに、中に何も入れなくても重量が3kgを超えるゼロハリバートンのアタッシェケースに比較すれば軽い。しかし、「ヴァルカンファイバー」(vulcanized fiber)と呼ばれる板紙を何枚も圧着多層化し、堅牢性をも追求したカバンがそう軽いわけでもなかった。買ったのはいいがいつしか使用頻度が減って、最後にはヤフオクの肥やしとなったという記憶がある。
その後、大好きなIT系のハードウェアガジェットが、テクノロジーの進歩で薄く軽く堅牢にと変化を遂げた。いつの頃からか、堅牢で内容物を完璧に保護するアタッシェケースの類は無用の長物となり、日常生活ではスリムかつ軽量なブリーフケースを愛用するようになった。
そんなわけで、一度はヴァルカンファイバーとは縁を切った筆者なのだが、グローブ・トロッターの小さくて格好いい初代iPad用ケースを見つけて、目を奪われてしまったのである。
グローブ・トロッター
「Clipper」コレクション 初代iPadケース
筆者は、SIMフリーの「iPad 2」を海外から取り寄せて、さらに日本通信(b-mobile)の帯域制限なしmicroSIM「b-mobile Fair」を導入した。従来の初代iPad Wi-Fiモデル+WiMAXモバイルルーターという、少しだけマニアックで面倒な世界から足を洗ったのだ。そしてスッキリついでに、iPad 2にピッタリなケースの探索へと丸ビル周辺に出かけた。
そして、ザ・コンランショップ 丸の内店で、以前から目を付けていたグローブ・トロッターのステーショナリーコレクション「Clipper」のひとつ、初代iPad用ケースに改めて釘付けになったのである。
しかし、初代iPadとiPad 2ではサイズが違う。高さや幅のサイズは誤差の範囲程度だが、厚さの差は無視できないほど大きい。初代に比べかなり薄くて、ほんの少し小さなiPad 2 は、iPad専用のケースに入れるとブカブカになる。
ここで気が付いたのが——アップルが狙ったのか偶然か——iPad 2にオプションカバー「iPad Smart Cover」(風呂蓋)を装着すると、初代iPadの厚みに近くなることだ。そこでさらに、iPad 2+Smart Coverをグローブ・トロッターの初代iPadケースに入れてみたのだ。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。
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