本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
iPhoneに位置情報が累積管理されている、だと?
iPhoneに過去の位置情報が記録されている……実は、O'REILLY radarのこの記事を読むまで、筆者自身もまったく把握していなかった。いくらiPhoneが(携帯電話/スマートフォンという)パーソナルな機器とはいえ、扱い方によっては大々的に重大な個人情報流出騒動にもなりかねない位置データを、ユーザーの了解なしにストックするというのはいかがなものか。この点は、今後議論となるに違いない。
既報のとおり、位置情報がストックされるようになったのはiOS 4から、すなわち2010年6月のリリース以降。なんらかの方法により随時取得される位置データは、iOS 4のファイルシステム上に「consolidated.db」として蓄積されている。
この「consolidated.db」、書き込み/閲覧のアクセス制限もなければ、暗号化処理もされていないという。しかも、母艦にバックアップを作成する際はMac OS X/Windowsへ自動転送される。
このデータが外部へ流出した確証はないようだが、Appleがなぜ個人の位置情報を、しかも長期にわたり累積したものを保管していたのか、その意図は知る由もない。F-Secureなどのセキュリティ企業は、ある程度の見通しを持っているようだが(参考リンク、日本語訳はこちら)、本当の事情をAppleが明かさないかぎり分からない。
米大手メディアでも報道されたほか、米Apple CEOのスティーブ・ジョブズ氏がユーザーからの質問メールに返答したらしいとの噂が流れたりと情報が錯綜している。差し当ってわれわれ一般ユーザーができるのは、何が行なわれてきたかを把握することだけだ。
(次ページへ続く)
この連載の記事
-
第187回
iPhone
NFCの世界を一変させる!? iOS 11「Core NFC」の提供開始が意味するもの -
第186回
iPhone
Appleと「4K HDR」 - iOS 11で写真/動画を変える「HEIF」と「HEVC」 -
第185回
iPhone
iPhone 7搭載の「A10 Fusion」「W1」は何を変えるか -
第184回
iPhone
オープンソース化された「PowerShell」をMacで使う -
第183回
iPhone
アップル製デバイス連携の鍵、「Continuity」とは? -
第182回
iPhone
DCI-P3準拠へと歩むiPhone/iPad - WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(2) -
第181回
iPhone
WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(1) -
第180回
iPhone
WWDC直前、買い替え前にマイMacのココをチェック -
第179回
iPhone
私がiTunesを使わなくなった5つの理由 -
第178回
iPhone
今あえてiPhone「Live Photos」を知る -
第177回
iPhone
「Windows Subsystem for Linux」はOS Xのライバルとなるか? - この連載の一覧へ