Lenovo Ideaシリーズ大研究 第54回
ベンチマークでIdeaPad Y560pの実力を探る
IdeaPad Y560p(2)――SandyBridgeの実力検証
2011年03月31日 12時00分更新
IdeaPad Y560pレビュー第2回では、第2世代インテル Core i7-2630QMの性能を中心に、各種ベンチマーク結果を紹介しよう。
第2世代 Core iシリーズの特徴とは?
「IdeaPad Y560p」(4397J3J)の大きな特徴のひとつが、CPUに第2世代インテル Core i7-2630QMを採用していることだ。これは、開発コード名「Sandy Bridge」と呼ばれていたプロセッサーだ。
以前のCore iシリーズとの違いは、まずプロセスルールが32nmになったことだ。プロセスルールとは、半導体を製造する際の回路の線の幅を指しており、この数値が小さいほどチップを小型化しやすくなる。小型化すると、消費電力や発熱が低減しやすいほか、性能面でもメリットが得られる。
機能面での分かりやすい変化は、グラフィックス性能の向上、ビデオエンコードを高速化するアクセラレーター機能(Intel Quick Sync Video)の搭載、使用状況に応じて自動的にCPUなどの動作速度を上げる「Intel Turbo Boost Technology」の強化だろう。
グラフィックス性能については、グラフィックス・コアをプロセッサーに統合したことで、効率的な動作を可能にした。これで、別途グラフィックスチップを搭載しなくとも、最新ゲームで遊んだり、Blu-ray Discのハイビジョン映像をスムーズに楽しめる。Intel Quick Sync Videoは、ソフト側が対応する必要があるものの、動画のハードウェアデコード/エンコードを高速化できる。
Intel Turbo Boost Technologyは、Windows起動時やアプリケーション起動時など特にパワーが必要な時に自動で処理を加速してくれる機能だ。従来のCore iシリーズにも搭載していたが、第2世代ではバージョン2.0となって、通常動作時とブースト時の差が大きくなっている。普段からフルパワーで動いていては電力がムダになるが、いざという時にはしっかり働いてくれなければ困るというユーザーの声に応えている形だ。
また、アプリケーションの処理性能を向上させる新しい命令セットとしてSIMD拡張命令「AVX」(Intel Advanced Vector Extension)が追加されており、対応アプリケーションが今後増えてくれば強く恩恵を感じられるようになるだろう。
快適さが実感できるベンチマーク結果
IdeaPad Y560pが採用する第2世代Core i7-2630QMは、モバイル向けCore i7シリーズCPUの中でも4コアを備える上位モデルだ。ここでは、その実力をベンチマークで見てみよう。今回は特にグラフィックス機能の部分に注目してみたい。
まずオーソドックスに「3DMark」と「PCMARK VANTAGE」の結果からだ。総合的な成績が非常に良く、しかもグラフィックスやゲーム関連の項目が特に目立って良い。前世代Core iシリーズの搭載モデルと比べると、専用のグラフィックスチップ(GPU)を搭載しているノート並みの成績となっている。一般的な利用で不自由さを感じることはまずなさそうだ。
具体的なゲームの指標になるものとして、カプコンの公式ベンチマーク第2弾「モンスターハンター フロンティア オンライン ベンチマーク【絆】」(以下、MHFベンチマーク【絆】)も使ってみた。MHFベンチマーク【絆】の結果は5134。これは非常に良好な結果で、ゲームをするのにまったく問題のない性能を持っていることを証明している。ベンチマーク実行中の映像も非常になめらかで、細部まではっきりと描画されていた。
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負荷を感じさせない性能の高さ
シチュエーション別の負荷についても確認しておこう。先に結果を述べてしまうと、何をしてもほとんど負荷は感じられなかった。
まずはごく低負荷な操作として、インターネットブラウジングを行なってみた。Internet Explorerで2枚のタブを開いた程度ではCPU使用率は2%に届かない状態で、ほぼ負荷はなしという結果だ。これは最近のPCならばごく当たり前の結果だともいえる。
次に、動画配信サイトを使った場合のテストとして、YouTubeでHD動画を再生してみた。こちらはサムネイルが大量に表示されているページが表示されている時など、瞬間的に数値が上昇することはあったが、再生開始時点でのCPU使用率は高い時を狙っても7%程度だった。
最後にBDメディアの再生をテストしてみた。最初の読み込み時などはBlu-ray Discドライブの回転音が大きくなり、負荷も多少は上がるものの、再生が始ってしまうとブラウジングと大差ない程度にしか負荷が計測されなかった。何をしても動作が重く感じるということはなさそうだと分かるテスト結果となった。
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