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池田信夫の「サイバーリバタリアン」 第137回

大震災でわかった旧メディアと新メディアの使い道

2011年03月16日 12時00分更新

文● 池田信夫/経済学者

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マスメディアとネットメディアが補完する時代に

 ところが民放ラジオ局が共同でつくったradiko.jpは、災害の最中にもエリア外からのアクセスを許さないため、新幹線の中に閉じ込められている人がつながらない。多くの人がエリア制限の解除を要望しても実現しないので、私が文化放送あてに

史上最大の災害に役に立たないで「今後」考えてもしょうがない。RT @joqrpr: 今回は、どの程度のアクセスがあるのか想定できず対策ができないため対応をしておりません。でも今後はそんなことも考えることになるのかもしれませんね。 #qrsaigai #joqr #radiko

と書いたところ、その数時間後

@muradown @ikedanob はい!!!もちろん そのつもりの「今後」です!

という返事が来てエリア制限が解除された。地震から2日たったあととはいえ、対応したのは評価したいが、NHKにしても民放にしても、史上最大の大災害の最中に著作権や電波利権を災害情報より優先するのは困ったものだ。

 このように、今回はツイッターが大きな役割を果たした。私のフォロワーはこの4日で1万人近く増えて、まもなく10万人に達する。もちろん一次情報はNHKなどのテレビ/ラジオがメインだが、これほどの大災害になると、放送だけでは情報を伝えきれない。「●●さん連絡をください」という安否情報を放送でやるとわずらわしい。

 こうした個別の情報は、一覧性の高いウェブサイトでやるのが有効だ。これについてはグーグルやヤフーなどが特設サイトを設け、救援物資などについても多くのボランティアのサイトが立ち上がった。「マスコミはいらない」とか「ツイッターだけでいい」というわけにはいかないが、少なくとも私の情報源は半分以上ツイッターだった。

 これからは放送も多くのメディアのひとつとなり、同じ情報をいろいろな物理インフラで伝達する時代になるだろう。NHKや民放がその壁を一挙に越えたことは、今回の不幸な大事件の中の小さないいニュースだった。


筆者紹介──池田信夫


1953年、京都府生まれ。東京大学経済学部を卒業後、NHK入社。1993年退社後、学術博士(慶應義塾大学)。国際大学GLOCOM教授、経済産業研究所上席研究員などを経て、現在は株式会社アゴラブックス代表取締役、上武大学経営情報学部教授。著書に『使える経済書100冊』『希望を捨てる勇気』など。「池田信夫blog」のほか、言論サイト「アゴラ」を主宰。

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