馬具を意味する「ブライドル」という言葉が示すように、ブライドルレザーとは、手綱を筆頭とする馬具に多く用いられた伝統的な加工革を指す。紳士用高級鞄などにも多く使われており、その表面に浮き出してくる白いワックスの粉とブラッシング跡が魅力のひとつとなっている。
この粉は、長い期間をかけて「皮」を削り、オイルを染みこませた後に、乾かしたり揉んだりして、扱いやすい柔らかい「革」に変えていく「なめす」と呼ばれる作業工程に由来する。このとき擦り込まれた植物性油などの上質ワックスや蝋が表面に浮き出てきた結果であり、高級なブライドルレザーの証でもあるのだ。
筆者の購入したブライドルレザーの専用ケースも、気が付くと白い粉が吹き出している。放っておいても問題ないが、気になるなら柔らかい布などで拭き取っておけば大丈夫だ。しっとりした革の表面はまだ少し堅いが、1年後、2年後が楽しみだ。
構造的、形状的にはキットに含まれている合皮製ケースとほぼ同じだが、ジッパーを開く際に手に持った感覚や、サファリ万年筆の専用スロットからペンを抜き取る時に指先が感じる感触は明らかに違っている。真黒のブライドルレザーに赤のステッチという組み合わせもより落ち着いて見せてくれており、両者が明らかに価値の異なるモノであることは2つを手にとって比べれば誰でもすぐに分かる。
デザイン的な検証をすべくLAMYサファリ以外の万年筆を専用スロットに収納してみたが、さすがにペリカンやパーカー、ルイ・ヴィトンなど、LAMYサファリ以外の万年筆はことごとく似合わなかった。シンプルな円筒形に近いサファリのキャップと、少し太い針金を折り曲げたような特徴的な赤いクリップがバッチリ似合う。さすがLAMY サファリ専用のケースだ。
今回の衝動買い
アイテム:LAMY「30 jahre LAMY safari limited color & original pen case 革バージョン」
購入:GOALD
価格:1万9790円
(30周年日本限定サファリ万年筆と本革ケースセットの場合の価格)
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
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