次がネットトップ向けであるが、こちらもおおむねネットブック向けに近い。熱設計にはノートよりゆとりがあるので、ラインナップはやや異なる。最初に投入されたのは1.6GHz駆動の「Atom 230」(Diamondville)と、CPUダイ2つをMCMの形で搭載した「Atom 330」の2製品だ。これらは自作マーケット向けのMini-ITXボードなどで、広く利用された製品である。
ネットトップ向けも2009年12月にはPineviewベースの製品に切り替わり、まずデュアルコアの「Atom D510」が投入された。シングルコアの「Atom N410」は、翌2010年1月の投入となった。
2010年6月には、動作周波数の向上した「Atom D525/D425」がそれぞれ追加される。これらは動作周波数が1.83GHzになったのみならず、サポートするメモリーにDDR3が追加されるなど(D510/D410はDDR2-800のみ)、ネットブック用のAtom N475/N455と同じ改良が加えられた。
現行製品はこのD525/D425であるが、2011年末をめどに、ネットブック向けと同様にこちらもMedfieldに切り替わる予定である。
Atom ZやNを流用していた組み込み向け
最後に、組み込み向け製品(Embedded)についても説明しておこう。冒頭でAtomのバリエーションを「厳密には6種類」と書いたのは、この組み込み向けが「汎用」と「専用品」に分かれるからだ。まずは汎用品について説明する。
長らくインテルは、Atomベース組み込み向け専用製品をリリースしておらず、最初に投入されたのは後述する「Atom CE4100」であった。それ以外の組み込み向け製品としては、UMPC/ネットブック/ネットトップ用製品のいくつかを、組み込み向けに認定して供給していた。
ここで言う「認定」というのは、例えば「7年間の製品供給保障」とか、組み込み向けリファレンスデザインや設計資料の提供、あるいは製品サポートなどである。「サポート」についても説明しておこう。例えばある顧客がAtom Z520を組み込み用としてシステムを作ったときに、明らかにAtom側が原因と思われる問題が発生しても、「それは組み込み向け製品ではない」という理由でインテルに文句を言えない(言っても相手にしてもらえない)。しかし、組み込み向けのAtom Z520Pを使っていれば、その問題を修正することをインテルに要求できるというわけだ。もちろん、それで直るかどうかはまた別の問題だが。
1ページ目でも触れたとおり、まずAtom Z500シリーズのいくつかが組み込み向けとしても提供され、続いてAtom N270も追加された。さらにPineView世代では、Atom N455/450とD525/D510/D425/D410の各製品が、組み込み向けとして提供されている。下の画像はark.intel.comでモバイル向けAtomプロセッサーの一覧の一部を引用したものだが、左から2番目の「Embedded」列が「Yes」となっている製品が、組み込み向けに該当する。
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