4.iPhoneでWindowsをリモートコントロール
最新版には、iPhone/iPad用アプリ「Parallels Mobile」(無料)を使って、仮想マシンのWindows環境を操作するというユニークな機能がある。非力なiPhone/iPadでWindowsが実用的な速度で動作するのか?──と疑問に思うかもしれないが、これは、iPhone/iPadに仮想マシンを直接構築するわけではなく、Macの仮想マシンの画面をネットワーク経由で表示して、間接的に操作するもの。Windows自体はMacで動作しているので、iPhone/iPadのパワー不足が問題になることはない。パフォーマンスは通信回線の速度に依存するため、3G回線よりもWi-Fi回線での利用がお勧めだ。
従来版のParallels Mobileは、仮想マシンの起動/停止とWindowsの画面表示のみが可能だったが、最新版ではWindowsの操作に対応し、iPadの広い画面でも使えるようになった。外出先でWindows環境にあるファイルが必要になったとき、iPhoneやiPadからParallelsが起動しているMacにアクセスし、ファイルを表示したり、その場で編集したりできる。
このほか、Internet ExplorerをParallels Mobile経由で利用すれば、iPhone/iPadのSafariで表示できないFlashを使用したウェブサイトも閲覧できる。
回線状況によって多少もたつくこともあり、本格的なファイルの編集には向かないが、用途を限れば非常に便利な機能だ。
Boot Campやほかの仮想化ソフトから簡単に移行
すでにBoot Campを使っている場合でも、Parallelsを利用する際に、Windowsの再インストールは不要だ。Boot CampのWindows環境を読み込んで、仮想マシンとして起動できる。この場合、スナップショット/アンドゥディスク、暗号化などの一部機能が利用できないという制限があるものの、1本のWindowsライセンスをBoot Campと仮想マシンの両方で使い分けられる。
Boot Campの使用をやめて、全面的にParallelsに移行したいなら、Boot Camp領域のWindowsをParallelsに直接インポートしよう。同様に、他社製の仮想化ソフトやPCにインストール済みのWindows環境も、簡単に移行できる。
なお、環境の移行後にWindowsや一部ソフトの再認証、デバイスドライバーの再インストールが必要になる場合がある。また、メーカー製パソコンにプリインストールされたWindowsはライセンス上移行できない。