11月30日、「ニコニコ動画」をモチーフにしたチョコレート菓子「ニコニコ動菓 ウエハースチョコ」(公式サイト)が発売された。商品を手がけるのは大手菓子メーカー・ロッテ。期間限定で、全国のコンビニなどで購入できる。
おまけとして、ニコ動内で使われている言葉をカード化した「ニコ単カード」が付いてくる。絵柄は「うp」や「みwなwぎwっwてwきwたwww」など、全部で36種類を用意。
カードのオマケがついたウエハースチョコというと、すぐに思い浮かぶのは同じロッテの「ビックリマン」シリーズだが、コレは一体どういった背景から生まれてきたものなのだろうか?
ロッテで中心となって商品化を進めた商品開発部ノベルティ企画室室長の高田基位氏と、ドワンゴ側でこの企画を担当したニコニコ事業本部アライアンス事業部部長の岡村裕之氏に話を聞いた。
「コアラのマーチ」「パイの実」からの「ニコニコ動菓」
── 「ニコニコ動菓」が最初に発表されたのは、10月28日に開かれた「ニコニコ大会議2010秋」の会場でしたよね(関連記事)。
高田 僕も1階席の一番後ろにいました。そのとき、工場で「ニコニコ動菓」を作っているところのムービーを流したんです。「おおーっ!」と会場全体が驚いてくれたうえ、さらにネットの生中継を映しているスクリーンにもコメントの「弾幕」が流れたのが遠目に見えて――。
── 確かにお菓子では、新商品発表のタイミングでユーザーの反応を知るって機会はあまりなさそうですね。
高田 商品を取り扱っていただく前に、バイヤーのご意見を頂くということはありますが、生の声を直接聞くというのは初体験でした。しかも会場に1450人、生放送の視聴者9542人を合わせれば、1万人以上いらっしゃる。そのリアルな反応がうれしくて、家に帰って生放送のアーカイブで何度も見てしまいました。すごい感動しましたね。
── 失礼ですが、高田さんは何年ぐらいこの仕事に携わられているんですか?
高田 商品開発の部署に移動したのが2001年ですから、9年目です。その前は10年間、宣伝部にいました。
── 結構長いですね。これまでどんな製品を手掛けられてきましたか?
高田 「コアラのマーチ」や「TOPPO」、「パイの実」といった、ブランドとして定着したロングセラー商品を担当していました。
── ここ最近の9年というと、「コアラのマーチ」が絵柄に凝りだした時期ですよね。
高田 ちょうどそれをやらせていただきました。担当を始めたころ、絵柄の数は120種類程度でしたが、今では400種類になりました。「コアラのマーチ」におけるキャラクターと世界観の管理をやってきた感じです。
── ユーザーさんの話を聞いて絵柄を増やしたということですか?
高田 そうですね。皆さん食べられるときに、キャラクターの絵を見ているというのを知ったんですよ。最初は「嘘だろ?!」と思ってたんですが、調査してみると結構みなさんが絵を見ている。何度調べても同じ結果が返ってくるので、あえてこのイラストを武器に戦えないかと考えたんです。それが、宣伝部から移ってきて1年ぐらいだったかと。
── 絵柄を増やす手法は、商品の特徴をとらえて広告表現に落とし込んでいくという、宣伝部に近いやり方なのかなと感じます。
高田 おっしゃる通りです。最初の1年はまったく違う仕事だなと思い込んでいたんですが、途中から似ているところがあるなと。どこに軸足を置いて仕事をこなすか、それに気付けたのはラッキーでしたよね。
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