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どれが安心? 違いがわかるセキュリティーソフト特集 2011年版 第1回

軽さと簡単さが魅力 ウイルスバスター2011 クラウド

2010年11月01日 12時00分更新

文● 池田圭一

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日本語でわかりやすくなった設定

設定画面。平易な文章で機能の目的や概要が記されているため、何をする機能かわかりやすい。パスワードによる設定変更のロック機能も用意

 「設定」画面では、ウイルス/スパイウェア対策、有害サイト/迷惑メール対策などの詳細が設定できる。それほど細かな設定変更はできないが、ほとんどの設定項目はわかりやすい言葉で書かれているので、何が実施されるのか理解しやすい。OSの起動にかかる時間を左右する設定も、どのタイミングで検出処理をするか調整できるようになった。マルウェアや管理者以外に設定を変更されるのを防止する、パスワードによる保護機能もある。

起動時にどのタイミングでチェックするかを決められるように

OS起動時間を短縮する対策として、起動時にどのタイミングでチェックするかを決められるように

Windowsファイアウォールをチューニングできる機能が追加

ファイアウォール機能は持たないため、Windowsファイアウォールをチューニングできる機能が追加された

 家族で1台のパソコンを共用する場合などに便利な、「有害サイト規制」機能もなかなか秀逸だ。URLフィルタやアクセス可能な時間帯を設定することで、子どもに対して危険性をはらむサイトへのアクセスを制限できる。Googleなどの検索サイトについても、独自のプロキシー機能を経由して個々のリンク先について検証し、安全かそうでないかを検索画面に表示できる。

コンテンツ内容や時間帯により、インターネットアクセスを制限できる

有害サイト規制での検索サイト表示例。独自プロキシーを通しての閲覧となるため、Googleなどでの一覧表示でも制限状況がわかりやすく表示される

ブロックしたサイトへのアクセス試行状況

ブロックしたサイトへのアクセス試行状況を、統計的に表示できる

 そのほかに、2011年度版からの新機能でユニークなのは、紛失・盗難によるデータ漏洩を防ぐ「リモートファイルロック」機能であろう。

リモートファイルロック

金庫に鍵をかけるとともに、クラウド側からリモート操作でファイルをロックする「リモートファイルロック」

 重要なファイルを「リモートファイルロック保管庫」に入れておくと、そこを開く際に同社のクラウドに問い合わせがかかる。万一、他者に見られては本当に困るようなデータの入ったパソコンを紛失したり、盗難された場合、同社に連絡すればクラウド側からリモート操作で金庫をロックできる、というものだ。専用ソフトは以前からあるが、セキュリティーソフトとしては新機軸の機能である。


 「ウイルスバスター2011 クラウド」は、クラウド化による動作の高速化に、UIの簡略化、構造をシンプルにすることでのわかりやすさが印象的な製品だ。特に家庭内で使われることを意識してか、ウェブアクセスの制限機能は充実している。

 パソコンのことをよく知らないユーザーに向けた作りになっている反面、他社製品の自動アンインストールなど、要所要所での処理があまりに自動化されているため、既存のセキュリティーソフトに慣れていると、逆に戸惑う部分も見られた。「導入したら、すべてをコレに任せてしまいたい」という、セキュリティー対策について難しいことはしたくないユーザーにお勧めである。

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筆者紹介─池田圭一

月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。


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