以前はパソコンのことを揶揄して「ソフトなければただの箱」と称したことがあるが、現在は「ネットなければただの箱」である。OSやシステムのアップデートもネット経由で配布されるのがあたりまえだ。
それならウイルスやマルウェアもネットワーク上で検出しよう! というのが「セキュリティーソフトにおけるクラウド」の考え方である。個々のパソコンにダウンロードされる前に遮断できれば、感染や蔓延を効果的に食い止められる。また、定義ファイルの更新だけでは追いつかないほど次々と発生する新種ウイルスに対しても、データベースをネット上に一元化して置くことですばやい対応が可能になる。
クラウド対応で最新状況をチェック
安心仕様の「マカフィー インターネットセキュリティ 2011」
マカフィー インターネットセキュリティ 2011 (amazonで購入)
発売元:マカフィー
対応OS:Windows 7/Vista/XP SP1以降
価格:パッケージ版 オープンプライス
ダウンロード版15カ月版:5198円
同2年版:8840円
同3年版:1万1760円
いずれも1登録に付き3台まで導入可能
特集3回目では、マカフィーの「マカフィー インターネットセキュリティ 2011」を取り上げる。同時リリースの「マカフィー 2011」シリーズには、ほかにも「アンチウイルスプラス 2011」「トータルプロテクション 2011」があり、迷惑メール対策や保護者機能、オンラインバックアップなどの機能に違いがある。
今回紹介するインターネットセキュリティ 2011は、両者の間に位置する製品となり、同社では「ウェブ閲覧から電子メールまでインターネットを広く利用する方」に勧めている。
比較的多くのメーカー製パソコンに試用版がインストールされていることもあって認知度が高く、世界中に多くのユーザーを抱えるのがマカフィー製品だ。インターネットセキュリティ 2011のウリは、ウイルス検出率の高さと、全自動バージョンアップ、加えてメーカーパソコンへの採用実績だという。
2010年度版までは他社のセキュリティーソフトと同様に、スキャン速度やシステムに対する負荷の低さなどをアピールしていたが、2011年版からは新たに、マカフィー独自の「クラウド・セキュリティー」が取り入れられている。
これは、ウイルスや不正プログラムに対する操作をリアルタイム監視する「アクティブプロテクション」により、通常の定義ファイル(シグネチャ)によるウイルスチェック以外に、各種マルウェア情報を収録したネットワーク上のデータベースに「0.1秒」でアクセスして、随時最新情報をチェックするというものだ。
ウェブサイトにアクセスする際に接続先が危険かどうかを判定する「サイトアドバイザー」でも、クラウド側に蓄積された情報を参照しているほか、不正ファイルのダウンロード前に警告を発する「ウェブダウンロードプロテクション」でも、オンラインで判定を行なう。
しかしクラウド対応といっても、本製品の仕組みは処理の低負荷化やスキャン時間の短縮を狙ったものではなく、最新状況への対応に主眼を置いたものと考えられる。
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