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どれが安心? 違いがわかるセキュリティーソフト特集 2011年版 第1回

軽さと簡単さが魅力 ウイルスバスター2011 クラウド

2010年11月01日 12時00分更新

文● 池田圭一

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 ただし、すべての検出をクラウド側で行なうわけではない。過去に大流行したようなウイルスや、国内で多く流通している不正プログラムなどは、クラウドに頼ることなく、従来と同じようにクライアント側のシグネチャで検出できるようにしている。クライアント側で判定できなかったものだけを、「スマートプロテクションネットワーク」を介してクラウド側のデータベースで検索する。

[検索開始]ボタンをクリック

[検索開始]ボタンをクリックすれば任意のタイミングで検索できる

 実行できないように無力化した、テスト用のウイルス感染ファイル数本をチェックしてみたところ、ネットワーク送受信状況を見ていても大きなトラフィックは生じなかった。ネット接続状態とLANケーブルを抜いた状態での振る舞いも、特に違いはなかった。どちらも検出および削除処理が正常に行なわれていることからして、クライアント側の20%に縮小化されたシグネチャでも検出可能だったのだろう。

zipアーカイブしたテスト用ウイルスを展開しようとすると、このようなメッセージが表示され、展開と同時に削除される

検索とウイルス削除の結果詳細

ほとんどのウイルスファイルは無条件に削除、または駆除される。削除ファイルの回復手段は特に用意されない

 なお、ファイルやフォルダー、ドライブを指定してスキャンするときに、2010年版にあった「バックグラウンドで処理をする」という項目が廃されている。フォアグラウンドで処理しても大きな負荷にならない、との自信の表われだろうか。検索中はディスクアクセスが頻繁に起こるものの、CPU負荷は低く、ほかのアプリケーション操作に影響するようなことはなかった。

ファイル検索の準備中には一時的にCPU負荷が上昇するが、処理中は3~6%で推移(Akabei Monitor Version1.04を使用)

さらに簡略化されたユーザーインターフェース

 ウイルスバスター2011 クラウドの第2の特徴は「革命的な使いやすさ」だという。製品版のCD-ROMからインストールしてみたところ、組み入れるコンポーネントが多いためか、終了まで10分ほどの時間を要した。インストールの次には、登録情報の入力画面が表示される。ここでは、氏名や生年月日/住所/電話番号/メールアドレス、さらにクラウド接続時のニックネームやパスワードを入力する。

インストール直後に詳細な個人情報の入力と登録を求められる。氏名や住所/電話番号などはダミー情報でも受け付けられるが、メールアドレスと識別用ニックネーム、パスワードを正しく入力しないとオンラインサービスが受けられない

 気になるのは、この入力タイミングだ。プライバシー保護機能などが働いていない状態での個人情報の入力である。ユーザーのパソコンにキーロガーなどが潜んでいないことは、インストール時点で確認されているのだろうか? ここで記入した情報は安全に同社側に送信されるのだろうか? 杞憂だとは思うが、この時点での安全性について保証されないことに、少々不安を覚えた。

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