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Mac mini de 家鯖 第7回

Mac mini Serverでモバイルアカウント活用(利用編)

2010年09月15日 20時00分更新

文● 海上忍

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モバイルアカウントの約束事

 いったんモバイルアカウントを作成すれば、MacBook(もちろんSnow Leopardが動作する他のMacも)とMac mini Serverのホームフォルダーとを同期できる。しかし、ディスク全体が同期されるわけではないため、いくつかの約束事を認識しておく必要がある。

 まず、利用できるアプリケーションが異なる。同期の範囲はホームフォルダーにとどまるため、アプリケーション(/Applications)やライブラリー(/Library)、/System/Libraryなどのシステム領域は含まれない。たとえば、クライアントのMacBook側でDockにiPhotoを登録したあと、iPhotoがインストールされていないSnow Leopard Serverに直接ログインすると、Dockに登録したはずのiPhotoのアイコンは「?」として表示される。同期の対象はホームフォルダー限定のため、通常それ以外の領域へインストールされるアプリケーションやフォント、各種プラグインは対象外だ。

ホームフォルダー以外の領域は同期されないため、サーバー/クライアントの片方にしかインストールされていないアプリケーションは「?」となる

 ホームフォルダー全域が同期されるわけではないことにも注意。ゴミ箱やライブラリーフォルダー(~/Library)など、ワークグループマネージャの環境設定にある「モバイル環境」のルールでスキップされている領域は、同期の対象外となる。反対に、業務とは無関係な「ムービー」や「ミュージック」など、同期の優先順位が低いわりにファイルサイズがかさみがちなフォルダーについては、同期の対象から除外することも検討すべきだろう。

「ゴミ箱」など一部領域は、初期設定で同期対象から除外されているので注意

「外部アカウント」を登録する

 モバイルアカウントでは、ホームフォルダーの保存先はサーバー上の起動ボリュームに限定されるが、Leopard Serverで追加された「外部アカウント」を利用すれば、外付けHDDやSDカードなどリムーバブルメディア上にホームフォルダーを確保できる。FAT32などHFS+以外の方式でフォーマットされたボリュームも、保存先に指定可能だ。

 外部アカウントを作成する手順は、モバイルアカウントのそれとほぼ同じ。違いはホームフォルダーの場所で、モバイルアカウントを作成するときと同じ手順で進めたあと(第6回 「Mac mini Serverでモバイルアカウント活用(設定編)」参照)、ワークグループマネージャの「環境設定」 - 「モバイル環境」 - 「アカウントの作成」 - 「オプション」画面で「常に確認」を選択し、ホームフォルダーの場所の「ユーザーが選択」項目で「任意の外部ボリューム」を有効にすればいい。

モバイルアカウントと同じ手順で作業を進め、ホームフォルダーの場所を「ユーザーが選択」として外部ボリュームを選択すると、外部アカウントになる

 初めて外部アカウントとしてログインを試みると、モバイルアカウントのときと同様に「モバイルアカウントとポータブル・ホームディレクトリーを作成しますか?」と尋ねられるが、「ホームフォルダーを選択」という項目が追加されているので、そこでマウントされているリムーバブルメディアを選択すればOK。これで、”どこへでも持ち運べるホームフォルダー”の完成だ。

外部アカウントとして初めてログインすると、ホームフォルダーを作成するボリュームを尋ねるダイアログが現われる


筆者紹介──海上忍

 ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。


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