Mac miniといえば、アルミ製薄型ボディーにMacらしさをギュッと詰め込んだマシン。コンパクトなデスクトップ機を好む層だけでなく、Macの中でもっとも低価格なために入門機として選ぶ人も多いようです(Apple Storeで見る)。
本連載「Mac mini de 家鯖」では、「Mac OS X Server v10.6 Snow Leopard」(Snow Leopard Server)をバンドルしたIntel Core 2 Duo(2.66GHz)搭載モデルを対象に、ホームサーバーの役割を担う「もう1台のMac」としての活用方法を紹介していきます(連載目次はこちら)。
第8回「Mac mini Server/iPhone/Macでスケジュール共有」では、iCalのスケジュールデータをMac mini Serverで管理する方法を紹介したが、PIMデータといえば「連絡先」を忘れることなかれ。今回は、Snow Leopard ServerでサポートされたCardDAVを使い、連絡先データをMac mini Serverで管理する手順を解説しよう。
Mac miniでアドレスブックを集中管理
もし複数台/複数人が参加しているLANをMac miniで運用しようとするのなら、各種リソースは集中管理するほうがいい。iMacで確認したスケジュールがMacBook Proにはなかった、MacBook Proで参照した顧客の住所がiMacにはなかったなど、集中管理していない場合には情報が交錯する可能性もある。MacではMobile Meで同期させることが一般的だが、年間1万円近いコストを負担することに難色を示すユーザーも少なくないだろう。
「同期」と「コラボレーション」の違い
だが、Mac miniにリソースを集中させることは、Mobile Meの活用とはワケが違う。第8回で紹介したiCalサーバーの利用は、Mac miniを介して他ユーザーのスケジュールを押さえ、会議を招集したりアポイントをとったり、という活用方法を示していた。そう、Mobile Meはあくまで「同期」だが、サーバーたるMac miniを使えば「コラボレーション」が可能になるのだ。
Mac miniにプリインストールされているSnow Leopard Serverは、アドレスブックの連絡先データを扱いやすく進化している。vCardをWebDAVに対応するよう拡張させたプロトコル「CardDAV」を新たにサポート、連絡先データをサーバー上に保存することが可能になったのだ。以前からLDAPとExchange Serverはサポートされていたが、小規模LANでそこまではと躊躇していた家鯖ユーザーにとって、設定/運用の容易さは魅力なはず。
そのCardDAVは、Address Book Serverによって管理される。設定は単純そのもの、「サーバ環境設定」にある「アドレスブック」を「入」にするだけだ。デフォルトでは、各ユーザーのデータ量上限は100MBに設定されているので、よほど交際範囲の広いユーザーでない限り値を変更を変更する必要はない。要するに、サーバーの設定はほぼ不要で、クライアントの設定さえ行なえばOKなのだ。

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