Mac miniといえば、アルミ製薄型ボディーにMacらしさをギュッと詰め込んだマシン。コンパクトなデスクトップ機を好む層だけでなく、Macの中でもっとも低価格なために入門機として選ぶ人も多いようです(Apple Storeで見る)。
本連載「Mac mini de 家鯖」では、「Mac OS X Server v10.6 Snow Leopard」(Snow Leopard Server)をバンドルしたIntel Core 2 Duo(2.66GHz)搭載モデルを対象に、ホームサーバーの役割を担う「もう1台のMac」としての活用方法を紹介していきます(連載目次はこちら)。
ユーザーアカウントの種類
デスクトップ版(標準版)のMac OS Xは、基本的に「1人1台」を前提にしている。Mac OS Xはマルチユーザー対応のOSであり、建前上は複数のユーザーアカウントで1台のMacを共有できるが、多くのユーザーは自分専用機を利用しているのではなかろうか。
Mac OS X Serverは文字通りサーバーであり、マルチユーザーで使用されることの方が多いはず。本連載が目指す"家鯖"は、実質的に1人の専用機となるかもしれないが、サーバー版らしい使い方をしてこその存在だろう。そこで今回から数回にわたり、「モバイルアカウント」を作成するための手順を解説していきたい。
しかし、一口にマルチユーザーといってもユーザーアカウントの種類により運用方法は変わる。作業を開始する前に、Mac OS X Serverにおけるユーザーアカウントの種類を整理しておこう。
ローカルアカウント
1台のコンピュータ上に作成されるアカウント。そのコンピュータ上でのみ有効で、他のコンピュータでは利用できない。通常版のMac OS Xでは、ほとんどの場合このローカルアカウントを使用する。
ネットワークアカウント
Open Directoryサーバーなどのディレクトリーサービス上に作成されるアカウント。ネットワークで接続された他のコンピュータ(クライアント)へ、離れた場所からログインすることができる。中~大規模システムの場合、各アカウントが使用する作業領域(ホームディレクトリー)用に別のサーバーを設置することが一般的。
モバイルアカウント
サーバー側に作成された情報のコピーをクライアント側にも置くアカウント。ネットワークに接続した状態でログイン/ログアウトすることで、自動的にデータを同期することが可能。サーバー/クライアントの両方に同じデータが存在するため、データのバックアップ目的にも利用できる。クライアント側にノート機を利用すれば、自宅の環境を外出先に持ち出す、といった使い方も可能になる。
外部アカウント
Leopard Serverのとき登場した、移動が容易なホームディレクトリーを持つアカウント。ホームディレクトリーはFireWireまたはUSBポートを備えたリムーバブルディスク上に作成され、そのリムーバブルディスクを他のMacに接続してアカウントを利用することができる。

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