目新しさを求めて次々とパソコンの新製品が投入される中で、「誰もが使いやすいパソコン」という方向性を見失わないでいるのが、富士通の「らくらくパソコン」シリーズ。この夏、新しくなった「FMV らくらくパソコン 3」(ESPRIMO FH/R3、以下FH/R3)では、どのような工夫がなされているのだろうか?
よけいな機能を排したシンプルな外観
らくらくキーボードが目立つ
まずシリーズについて簡単に振り返ってみる。らくらくパソコンの原点になったのは、富士通パーソナルズが2003年に発売した「FMV-DESKPOWER L20C」からだ。17型液晶ディスプレー一体型のパソコンで、画面表示(文字やアイコンなど)を大きくするなど操作面での改良と、訪問サポートや電話サポートなどサービス面が拡充されていた。
富士通本体での「らくらくパソコン」は、2008年の製品「FMV-BIBLO NF/BR」から始まる。一般向けノートパソコンをベースとしているのは同様だが、色分けされて文字刻印を大きく見やすくした「らくらくキーボード」を採用するなどハードウェアにも改良点が見られる。また、独自のメニュー画面なども搭載するようになった。
2009年秋には、20型ワイドディスプレー一体型デスクトップの「FMV-DESKPOWER F/ER」と、15.6型ワイドディスプレー搭載のノート「FMV-BIBLO NF/ER」を発売。どちらも、画面に指で触れて操作を行なうタッチパネル(Windows 7のWindowsタッチに対応)の採用を大きくアピールしていた。
今回評価するFH/R3は、2009年秋モデルのF/ERの改良型である。1600×900ドット表示の20型ワイド液晶ディスプレー一体型デスクトップで、曲面を取り入れた全体的にやわらかいデザインと、けれんみのないホワイトカラー、いたってスタンダードな外観をしている。
スペースの限られる一体型のため、接続コネクターなどは各面に分散している。左側面にはUSB×2、ダイレクトメモリースロットなどがあり、右側面には光学ドライブ(DVDスーパーマルチドライブ)とUSB、背面下部には電源コネクター、キーボードコネクター(なんとPS/2!)、1000BASE-T LAN、USB×2がある。
本体質量が約10.9kgと重いため、一度設置してしまうと、ユーザーとして想定されるシニア層では持ち上げたり動かしたりするのが大変だと思われる。その代わり、スタンドは円形のターンテーブルとなっていて、軽く動かすだけで容易に左右に向きを変えられる。
本体の操作部分は、本体前面下部のタッチセンサー部分のみとなる。中央に電源スイッチがあり、その横に画面の明るさ調節ボタン、さらに右に光学ドライブトレイの取り出しボタンがある。タッチセンサーの感度も適切で使いやすいのだが、シニア向けということであれば、もっと目立つ位置に大きめなボタン類を装備してもよいように感じた。また本体カラーも一般向けモデルと同様に、赤や黒を選べるようにしてもよいだろう。
この連載の記事
-
第133回
PC
Skyrimも快適? GeForce内蔵Ultrabook ASUSTeK UX32VD -
第132回
PC
写真やゲームをより美しく見せるナナオの液晶 FS2333 -
第131回
PC
デジカメとスマホを手軽に連携する無線LAN SDカード FlashAir -
第130回
PC
無線とタッチで使い勝手が進化したペンタブレット Intuos5 -
第130回
PC
スレートPCをCore i7で蘇らせたオンキヨー TW3A-A31 -
第129回
PC
店頭モデルも4コアCPUに パワーアップしたLets'note B10 -
第129回
PC
小型でも強力GPU搭載のゲームPC Alienware X51を検証 -
第129回
PC
Ultrabookと一緒に持ち歩きたい 超小型マウス「Cube」 -
第129回
PC
14型のUltrabookはアリか? デザイン重視のENVY 14 SPECTRE -
第128回
PC
WiMAXモバイルルーターの決定版!? Aterm WM3600Rを試す -
第127回
デジタル
高速SSDで起動・復帰が速いUltrabook Aspire S3-951 - この連載の一覧へ