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ユーザーを“納得”へ導く「サイトストーリー」の作り方 (2/3)

2010年07月02日 11時00分更新

文●小池 勉/コンテンツブレイン

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4種類の商品タイプに分けてストーリー展開を考える

 商品のプロモーションサイトの場合、情報の価値は「商品の魅力」です。サイトの目的は「商品の魅力を伝えるための情報を掲載すること」になります。

 商品の魅力は、商品のタイプによって変わってきます。私は、たいてい「価値理解型商品」「感覚型情報商品」「スペック型商品」「目的用途型商品」と4つに分類して考えています。


 価値理解型商品とは、「特性を理解したうえで選ぶ商品」のこと。代表的な例に「あまり有名でないけれど、使えば便利」といった商品があります。普段から「これ何とかならないの」と悩んでいたことを解決してくれるような商品ですね。たとえば、コンセントがない場所でもノートパソコンからケータイを充電できるケーブル。パソコンや自動車の周辺機器にはこうした「使えば便利」な製品がたくさんあります。

 しかし商品が有名でないために、そもそも「自分の求める商品が存在する」ということが知られていません。サイトにやってくるユーザーは「漠然と自分の悩みを解決してくれるものはないか」と思いながらインターネットをうろついていているうちにたどり着いた人たちです。たまたまやってきたユーザーに商品の魅力を伝えるには、商品そのものについて語るよりも、「用途」や「活用事例」「実際に使っている人の声」などを掲載して、価値を理解しやすい流れを用意します。

 感覚型情報商品は、「色や形などで感覚的な基準で選ぶ商品」のこと。たとえば洋服、鞄、小物などはユーザーも利用価値を十分に知っていますから、わざわざ「財布は便利」などと基本的なことを改めて訴求したりはしません。その代わり「その商品のデザイン性」「付加機能」などをアピールします。

 スペック型商品は、「自分の目的を実現するには、決められたスペックが必要な商品」です。たとえば、あるインテリアを持っているユーザーがオプション製品を買う場合、規格にあった商品を探さなければいけません。つまり、探す前から条件が決まってしまうのです。ですから、サイトでは「目的や仕様を絞り込む」機能を重視して、絞り込んで目的の商品にたどり着きやすくするわけです。

 目的用途型商品は、「目的や用途が明確な商品」です。旅行に行くときは、行き先は最初に決まりますがその交通手段は業者に決めてもらったりします。そのように「目的は明確だが、手段がわからない」商品が該当します。この手の商品のサイトを作る場合は、「これを使えば、あなたのやりたいことが実現できますよ」と、ハッキリ知らせることが肝になります。それには検索サイトから誘導しやすいキーワード、目的を絞り込める言葉をしっかりサイトに組み込むことが求められます。

 このように商品タイプによって魅力を伝えるべき情報が異なっているので、それぞれにあった手法、ユーザーの心を動かす効果的な見せ方を考えることがサイトストーリーです。

 このほかに「価格訴求型商品」がありますが、これは「安ければ良い」「価格そのものが一番の訴求ポイント」という商品で、情報戦略とは考え方が違いますから、ちょっと横に置いておきます。

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