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狙うはプロ級!? ニコン「D300S」で撮影スキルを鍛え直す 第5回

絞りを調整して背景のボケ味を演出する

2010年05月20日 12時00分更新

文● 小林 伸

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撮影モードで異なる絞りの調整方法

 D300Sで絞りを自分で自由に設定するにはどうしたらいいのか。いくつか方法はあるが、撮影モードが「プログラム」(カメラが絞りとシャッタースピードの両方をコントロールしている状態)では「プログラムシフト」を使うのが普通だろう。

撮影モードが「プログラムオート」の状態で半押しタイマーが入ったままの時、「メインコマンドダイヤル」(左の写真の親指がかかっているダイヤル)を回すことで「プログラムシフト」がかかるようになっている。「P」の表示の横に「*」が出ているのがその状態であることを表している

 このプログラムシフトとは、電源を入れた状態で撮影モードが「プログラム」になっているとき、同じ露出で絞りとシャッタースピードの組み合わせを変えられる機能だ。使い方はシャッターを半押ししてカメラが露出を決定した状態で、半押しタイマーが入ったままのとき「メインコマンドダイヤル」を操作する。

「メインコマンドダイヤルの設定」で「回転の方向の変更」をOFFにしてあるときは、右に回せば絞りは開ける設定。左に回せば絞る設定となる

「メインコマンドダイヤルの設定」で「回転の方向の変更」をOFFにしてあるときは、右に回せば絞りは開ける設定。左に回せば絞る設定となる

 操作方法は絞りを開いて被写体の背景をぼかしたいときはメインコマンドダイヤルを右側へ、逆に絞りたいときは左側へ回す(デフォルトの状態。カスタムファンクションの“f8コマンドダイヤルの設定”で回転方向の変更が可能)。これだけで、露出は変わらず絞りを自分の好みに設定することが可能になる。

 また、撮影モードを「絞り優先オート」に変更して使用してもいい。絞り優先オートとはその名の通り、ユーザーが絞り値を設定して、カメラはその絞り値に応じたシャッタースピードを自動的に設定してくれる機能だ。

 この撮影モードに切り替えるにはシャッターボタンの横にある「MODEボタン」を押しながら、表示パネルに「A」の表示が現れるようにメインコマンドダイヤルを回す。この撮影モードにしておけば、ユーザーは自分の持っているレンズの絞りの範囲で自分の好みの絞り値でいつでも撮影することが可能だ。

 しかし、オート(後述のシャッタースピード優先オート以外)の撮影では暗い撮影条件で撮影している場合、思った以上に「シャッタースピード」が遅くなり、手ブレを起こすことがあるのでファインダー内や表示パネルでシャッタースピードの数値に注意しておかなければならない。

 では、暗い場所でなんとかしたい場合はどうするか? D300Sにはそのほかに「シャッタースピード優先オート」や「マニュアル」などの撮影モードもある。シャッタースピード優先オートは、シャッタースピードをユーザーが決定してカメラは自動的にその数値にあった絞り値にしてくれる機能だ。

 この場合、自分の好みに絞りを変更するには、絞りを開けたい場合には速いシャッタースピード(分母の数が大きい数値)、絞りたい場合には遅いシャッタースピード(分母の数が小さい数字)に設定する。

マニュアル露出時のシャッタースピード表示において、「1/」は省略されて表示されているので「1秒」などの時には「”」の表示が追加される

 ちなみに1/250秒などの場合、D300Sの表示パネル上では「250」とだけ表示され「1/」が省略されている。さらに遅いシャッタースピードの表示、例えば1秒などの表示は「1”」のような表示になるので間違えないようにしよう。

 マニュアル露出の場合はユーザーが絞りとシャッタースピードの両方を設定しなければならない。そう書くと難しいように思われるが、それほど難しい話でもない。

赤く囲ったインジケーターに注目。中央の「0」と書いてある部分に合っている時が適正露出となる。左の写真では「-」側(右側)に目盛りが振れているので、この場合はアンダーの露出になっている。絞りを開けるかシャッタースピードを落とすようにメインコマンドダイヤルを操作する。絞り値を変更せずにシャッタースピードを落としたのが右の写真

 シャッターを半押しするとカメラに内蔵された露出計が働き、ファインダー内の「インジケーター」に表示される。このインジケーター表示を見ながら、絞りとシャッタースピードを調節していけばいいので、絞りを優先的に合わせておきたいときには、絞り値を先に好みに設定しておき、それにあったシャッタースピードをメインコマンドダイヤルであわせていくようにすればいい。

 絞りと被写界深度はすべての露出モードに関わっている。意識して調節するといいだろう。

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