スイーツをキレイに撮るテクニック
吉田:せっかくなのでASCII.jp読者の方にスイーツをキレイに撮るお手軽な方法を教えてください。
三浦:よし、ライトも何も使わない簡単な方法でいいかい?
吉田:もちろんです。
三浦:じゃあ、ケーキを窓辺に持って行って……。
吉田:今日はよい天気ですね。
三浦:ケーキの左斜め後方から太陽光を当てるんだ。下の写真ではちょうど左上角の方向に太陽があり、いわゆる「半逆光」と呼ばれる状態だ。ケーキ手前側の面に陰影ができるので、手前から撮ればケーキは立体的に見える。
吉田:なるほど!ただケーキの陰影部分が強く、なんとなく全般カタめに感じられます。
三浦:そう、このままだとケーキの明るい部分と暗い部分のコントラストが高く、ケーキがやわらかく見えない。こういう時はレフ板で陰影やシャドウ部分を明るくするのが、やわらかく見せるためのテクニックなんだ。
吉田:この銀色の板ですね。
三浦:銀レフで太陽光を反射し、ケーキの陰影の部分を照らすと……。
吉田:陰影が明るくなって雰囲気が変わりましたね。
三浦:コントラストが下がり、さきほどの写真に比べ、ケーキのふわっとした感じが伝わってくるだろう。この方法は手軽にキレイな写真が撮れるので、ぜひ皆さんも試して欲しい。
吉田:レフ板は買うと結構高いですよね。
三浦:心配ご無用。『プロが教えるデジカメ撮影テクニック』の中でレフ板の作り方を紹介している。自作は手軽でお得なので、ぜひ参考にしてもらえれば幸いだ。
吉田:ありがとうございました。次回は……。
三浦:宝飾品と時計の撮影テクニックでいこう。
写真表現の5つのテクニックとは?
『プロが教えるデジカメ撮影テクニック』で紹介している写真表現の5つのテクニックとは、ハイライト、グラデーション、陰影、シャドウ、透過光のことです。簡単にいえば、以下のような効果を狙って意図的に使うことで、プロのような品質の写真をアマチュアカメラマンでも撮れるようになります。
- ハイライト
- テカりの部分。ツルッとした質感、立体感を表現するために使う。
- グラデーション
- 明から暗、色調が徐々に変化する部分。丸みを表現するために使う。
- 陰影
- 光が当たらずに暗くなっている部分。質感や立体感を表現するために使う。英語ではshade。「弱い影」ともいう。
- シャドウ
- 光が遮られてできる暗い部分。立体感を表現するために使う。英語ではshadow。「強い影」ともいう。
- 透過光
- 透明、半透明の物質に当たった光のこと。自ら発光しているように見え、質感や清涼感を表現するために使う。
次回は、宝飾品と時計を題材に、写真表現の5つのテクニックをどのように使うか紹介します。
■Amazon.co.jpで購入
人物、商品、生き物の魅力を引き出す96例 プロが教えるデジカメ撮影テクニック三浦 健司(著)アスキー・メディアワークス