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仕事を乗り切る、BizTools 第3回

絶対外せない4つをチェック

ICレコーダー選びのポイントはコレだ! 2010年初夏

2010年05月13日 09時00分更新

文● 後藤宏

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音質──騒がしい場所でもしっかりと音声をキャッチ

 音声を録音するとき、まず気になるのは音質だろう。現在市販されているICレコーダーでは、MP3で録音する方式が主流。ハイエンドモデルでは、音声データを非圧縮で記録するリニアPCMにも対応しており、より高品位に録音できる。音声を録音する品質だけなら、MP3でも十分に高音質で、基本的にはエントリーモデルでも利用に問題はない。

ハイエンドモデルでは、マイクの内部にフィルターを配置することで、ノイズをカットできるモデルもある。録音形式だけではなく、ノイズカット機能もチェックしておこう

 とはいえ、ハイエンドモデルはマニア向けかと言うと、そういうわけでもない。録音品質と「聴き取りやすさ」はまったく別モノだからだ。

 録音した音声を再生してみると、静かに感じていた場所でも、意外に「ノイズ」が入っている。屋外であれば風切り音があるし、屋内でもエアコンのファンなど、一見、静かに感じる場所でもノイズがあふれている。ハイエンドモデルでは、それらのノイズを低減できるフィルターが充実していることが多い。このノイズカットフィルターの良し悪しで、再生時の音質を大きく左右するのだ。

 ただし、ノイズカットフィルターは、製品によって千差万別。ここでは、音声を再生した際のノイズ感も含めて、チェックしてみよう。


録音形式──録音したあとに加工するかどうかが基準に

 音質を確認したあと、合わせて確認しておきたいのが「録音形式」だ。

 前述したMP3とリニアPCMだが、基本的には録画時間重視の場合はMP3、音声の品質を重視するならリニアPCMといった使い方が一般的。とはいえ、これは記録メディアの容量が512MBや1GB程度と少なかった場合だ。現在では、フラッシュメモリーの価格も安くなり、エントリーモデルでも2GB以上、ハイエンドモデルでは8GBもの容量を確保している。もはや、MP3でもリニアPCMでも、必要に応じて選択すればよいのだ。

 そこで注目しておきたいのは、内蔵メモリーの容量とメモリーカードスロットの有無だ。前述したように、現在は内蔵メモリーが2~8GBと大容量のモデルが多い。リニアPCMの最高品質で録音した場合、たった25分間程度で1GB消費するため、内蔵メモリーはなるべく容量が多いモデルを選択したい。

 また、内蔵メモリーの容量が少ないモデルでも、メモリーカードスロットを搭載していれば問題ない。大容量なSDメモリーカードやmicroSDカードを利用すれば、存分に録音ができる。頻繁にICレコーダーを利用するユーザーなら、大容量内蔵メモリー+メモリーカードスロット装備のモデルを選ぶとよいだろう。

リニアPCMの録音時間
録音品質 512MB 1GB 2GB 4GB 8GB
96kHz/24bit 10分 25分 55分 1時間50分 3時間45分
96kHz/16bit 20分 40分 1時間20分 2時間50分 5時間45分
44.1kHz/24bit 30分 1時間 2時間 4時間10分 8時間20分
44.1kHz/16bit 45分 1時間30分 3時間5分 6時間15分 12時間35分
MP3の録音時間
録音品質 512MB 1GB 2GB 4GB 8GB
320kbps 3時間30分 7時間 13時間50分 28時間 55時間40分
256kbps 4時間20分 8時間50分 17時間20分 35時間 69時間40分
128kbps 8時間50分 17時間40分 34時間50分 70時間10分 139時間

 リニアPCMの最高音質(96kHz/24bit)で録音する場合、8GBでも3時間45分程度と心許ない。44.1kHz/16bitになると8GBで12時間35分録音でき、余裕がある。一方、MP3の場合は、最高音質の320kbpsでも55時間40分と8GBでも、存分に録音ができる。なお、リニアPCMの44.1kHz/16bitはCDと同じ音質になる。

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