露出補正で明るさを追い込む
では、どの測光モードでも自分のイメージした明るさでない場合はどうしたらいいか。その場合は「露出補正」を行なう。D300Sではシャッターボタンのすぐ横に「+/-」の表示のあるボタンがそれにあたる。
このボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを回して調整する。調整の仕方としては画像の見た目が明るいときはマイナス(-)補正、暗いときはプラス(+)補正をすることになる。
回していくと0.3→0.7→1.0と変化してしていくと思う。これは露出の一段分を10分割して1/3刻みに表示しているためで、0.3の次に0.6ではなく0.7という数字が現れる。補正の仕方は設定の変更で1/2刻みにもでき、この場合は表示は0.5→1.0→1.5のようになる。
この1/3刻みや1/2刻みの表示はシャッタースピードや絞りの表示にも当てはまるが、今回はAE露出で話を進めているので細かい説明は省略する。
露出補正の幅はどのようなカメラでも±2.0以上の幅はあると思う。D300Sでは±5.0まで補正できるが上のサンプルでは真っ暗や真っ白な画像になってしまうので±2.0までとした。
撮影後の画像確認で自分のイメージと違う明るさになっていたら露出補正で調整しよう。しかし、一度補正したからといって、そのままずっと使えるわけではない。撮影条件によって変化するものなのでその場その場で確認しながら使用したい。
この調子でおおむね自分のイメージに近づいたとしても、「もう少し暗い部分だけを明るく」「明るい部分のトーンを出したい」といった欲求が生まれてくることもある。
そうした場合、撮影後のレタッチで対処するのが普通だったが、D300Sではもう少し撮影段階でこのトーンの出し方を追い込むことができる。それが「アクティブD-ライティング」という機能である。
この機能は露出そのもの(シャッタースピードや絞り)を変えるというわけではなく、画像の持っているトーンのカーブを最初から変化させて記録する。その代わり、露出そのものを変化させたときのような明るさのダイナミックな変化はないのである意味重箱の隅をつつくような機能かもしれない。しかし、自分のイメージに近づけるための1つの手段ではある。
「アクティブD-ライティング」の設定による明るさの違い
上記サンプルを見ての通り、「なし」とそれ以外では山肌のトーンの出方などに違いが見られる。このあたりは自分の好みのトーンがどれなのか普段から試しながら使用したほうがいいだろう。露出補正だけでは得られない明るさ調整の仕方なので覚えておこう。
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