先月末、オンキヨーからHDMI 1.4aに対応したホームシアターシステム「BASE-V30HDX」(実売価格7万5000円前後)が発売された。
HDMI 1.4a※は、今話題の3Dテレビおよび3D対応Blu-ray Discレコーダー/プレーヤーにおける3D映像伝送の必須対応方式を含んだ、「HDMI Licensing LLC」が定めた最新のHDMI規格。それにいち早く対応した、最新のホームシアターシステムである。
※HDMI 1.4から、3D放送などにおける必須解像度として、サイドバイサイド(ハーフ):1080i 50Hz/59.94Hz/60Hz、トップアンドボトム:720p 50Hz/59.94Hz/60Hz、1080p 23.97Hz/24Hzが加えられた。
3D信号パススルーとARCに対応
本機のシステム構成は、横幅205mmのコンパクトなAVアンプと、小型のステレオスピーカー、サブウーファーとなる。スピーカーの横幅も102mmと小さめなので、テレビの両脇などに手軽に設置できる。
スピーカーとサブウーファーは、純木製のキャビネットを採用したピアノフィニッシュ仕上げで、見た目も美しく高級感がある。最近の薄型テレビも、フレーム部分が光沢ブラック仕上げとなったものに人気があるので、薄型テレビと一緒に置いたときの相性も良さそうだ。なお、スピーカーとサブウーファーが異なる下位モデル「BASE-V20HDX」(実売価格6万5000円前後)もある。
そんなBASE-V30HDX/V20HDXの最大の特徴は、HDMIの最新機能である「3D信号パススルー」と「オーディオリターンチャンネル」(ARC)に対応していること。
まず3D信号パススルーだが、今後登場するBDの3Dソフトの信号の送受信に対応するのが特徴。BDの3Dソフトは、従来とは異なる「MPEG-4 MVC」という新しい信号規格が採用されているので、この規格に対応していないAVアンプなどでは、3D映像信号の受け渡しができなくなる。
このため、BDプレーヤー/レコーダーは、3D対応テレビとAVアンプ、それぞれにHDMIケーブルで接続する必要があり、ケーブルの配線などが少々面倒なことになる。
しかし本機の場合なら、従来どおりBDレコーダー/プレーヤー→AVアンプ→テレビとHDMI接続をするだけで、3D信号のやりとりもできるというわけだ。音声を再現するのが主目的であるAVアンプには必須の機能ではないが、使い勝手の点では対応したモデルの方が使いやすいと言える。
そしてARCは、AVアンプとテレビをHDMIケーブルで接続するだけで、AVアンプからの映像と音声信号と、テレビからのデジタル放送の音声をまとめて送受信できるもの。
これまでのHDMI接続では、AVアンプからの映像と音声をテレビに入力するだけの、いわば一方通行だった。テレビの音声をホームシアター機器で再生するには、HDMIケーブルに加えて、テレビ側のデジタル音声出力をAVアンプのデジタル音声入力に接続する必要があったのだが、この手間が不要になったのだ。こちらは、手軽に使えるホームシアター機器としては、かなりメリットが大きい。
このほか、「ドルビーTrueHD」や「DTS-HD Master Audio」といったHDオーディオにも対応しており、現時点でAVアンプに求められる機能がすべて盛り込まれている。
そして、AVアンプには、5.1ch用のスピーカー出力も備わっており、オプションのセンター、サラウンドスピーカーを追加すれば、5.1chシステムにグレードアップすることも可能。なお、AVアンプの「SA-205HDX」は単品モデルとしても発売されており(実売価格4万5000円前後)、単品モデルの場合は、カラーがブラックとなる。
スピーカーは、同社の単品スピーカーでも使用されているA-OMFモノコック振動板ウーファーを採用した2ウェイ構成。サブウーファーも、16cmウーファーと、内部に折り返し構造をもったスリット型ダクト「AERO ACOUSTIC DRIVE」を備え、クリアーで迫力のある低音再現を可能にしている。
