毎年のようにバージョンアップが繰り返されるアドビのCreative Suite製品。新製品が出るたびに「この製品はこのバージョンでほぼ完成したな」と思うのに、翌年には毎回いい意味で裏切られる。今回はAdobe Creative Suite 4の中から、「Adobe Premiere Pro CS4」をPremiere派の筆者が検証してみた。
時代の変化 vs Adobe Premiere Pro
Premiereシリーズといえば、プロフェッショナル品質のムービー作成が可能な、多機能ノンリニアビデオ編集ソフトである。しかしながら実際は、プロからアマチュア層まで幅広く利用できる、マルチパーパスなソフトでもある。
それは映像入出力のフォーマットの種類の多さに如実に表われている。コンシューマー向けのビデオカメラで主流の「AVCHD」や動画投稿サイトで主流の「FLV」、業務用フォーマットである「XDCAM HD」や「Panasonic P2」といった多くのフォーマットを読み込み、それらを編集できるのだ。
さらに、FLVやH.264へのエンコードや、オーサリングツール「Adobe Encore CS4」と連携して、Blu-rayディスクへのオーサリングと書き出しまで可能である。増え続ける映像フォーマットすべてを果敢にカバーすることが、Premiereというシリーズに課せられた永遠の使命なのかも知れない。
特に今回のバージョンであるCS4から対応した「ネイティブ編集」は、作業の効率化に大きく寄与する部分である。編集の際に中間ファイル生成が必要なくなり、キャプチャーから編集までの時間が劇的に短縮された。