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HDMI 1.4aに対応したホームシアターシステム

3Dテレビ Readyのオンキヨー「BASE-V30HDX」を試す!

2010年04月07日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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BASE-V30HDXの音をチェック!

BASE-V30HDXの音をチェック!

クリアーでメリハリの効いたサウンドで
サラウンド効果も良好

 続いて、市販のチェック用BD「Hi-Definition Reference Disc」で24bit96kHz 7.1chで収録された音楽を、リニアPCM、ドルビーTrueHD、DTS-HD Master Audioで聴いてみた。結果としては、リニアPCM7.1chとドルビーTrueHD7.1chではシアターディメンショナルが使えたが、DTS-HD Master Audioだけがストレートデコードになってしまった。

 なお、一般的なBDソースで採用されるサンプリング周波数48kHz、5.1ch/6.1ch収録のソースでは、リニアPCM、ドルビーTrueHD、DTS-HD Master Audioのいずれでもシアターディメンショナルは使用できたので、実用上はほぼ問題ないだろう。

入力やリスニングモードは本体側のインジケーターに表示される。このほかボリュームも数値で表示される

 では、いよいよ音質とバーチャルサラウンド「シアターディメンショナル」の効果をチェックしていこう。先ほども使った「AKIRA」では、冒頭から金田らのバイクでの暴走シーンを見たが、高域がクリアーでメリハリの効いたサウンドが楽しめた。

 低音もこのクラスとしては十分に優秀なのだが、冒頭の特徴的なドラムの音や、アクションシーンの爆発音などを聴くと、もう少し最低音域までの伸びが欲しいと感じる。全体的な印象としても、クリアーで情報量が多いため、やや細身に感じた。

 サラウンド効果は5.1ch収録のアクション映画で確かめたが、バーチャルサラウンドとしてはなかなかのもの。リアの音場の再現では、さすがに真後ろの音は聴こえにくいが、耳の位置の左右にサラウンドスピーカーが置かれているような感じになる。

 しかも、バーチャルサラウンドにありがちな、耳の周りにサラウンドチャンネルの音がまとわりついているような聴こえ方ではなく、ちょうど自分の居る位置の両側にサラウンドスピーカーが置かれているような、適切な距離感のある聴こえ方になるのが良い。

 このため、空間の広がりなどもしっかりと再現され、包み込まれるような音場になる。実際に後方にスピーカーを置いた5.1chシステムと比べれば、当然ながらサラウンド音場には違いがあるが、テレビと組み合わせて手軽に楽しむならば、十分な実力を持っている。

 音楽ソフトの「THIS IS IT」(5.1ch収録)も視聴してみたが、もともと音楽ものは、後方のチャンネルにはあまり具体的な音を配置しないこともあり、広々としたサラウンド感が不足感なく楽しめた。アクション映画などではやや物足りなかった低音も、音楽では必要十分で、低音~高音のバランスも良好。ドラムやベースの低音は適度に量感を持たせて力強さを再現する傾向だが、ベースの弾む感じやドラムを叩いた瞬間の音の立ち上がりも機敏で、ダルさはない。

 クラシックのコンサートでは、フルオケの全奏での迫力やスケール感はやや小ぶりになるものの、個々の楽器の音などはかなりしっかりと再現され、聴き応えは十分。メリハリの効いた高音も、シャカシャカと耳障りになることもなく、聴きやすい音に仕上がっている。


手軽なホームシアターシステムでも
本格的なサラウンドを堪能できる逸品

 同じオーディオ機器で、CDそのものと、MP3などで圧縮された音源を聴き比べると、CDの方が高音質で楽しめるのは当たり前の話だが、ホームシアター機器でもそれは同じ。このクラスの製品でHDオーディオに対応しているモデルはまだ数が少ない。そうなると、BDソフトの再生という点では、HDオーディオ対応モデルの方が圧倒的に高音質ということになる。

 一般的なソフトでも16bit48kHzとCD以上の情報量を出せるHDオーディオ対応モデルと、圧縮されたドルビーデジタルなどに変換されてしまうモデルでは、比較にならない。もちろん、HDオーディオの情報量をしっかりと再現できる音質的な実力も十分あり、手軽なホームシアター機器としては、かなり優秀なモデルだ。

 3D対応などの最新機能も含め、5.1chシステムにも発展可能と、事実上エントリークラスの単品コンポーネントをセットにした内容だけに、本格的なサラウンドを楽しみたいという人にもおすすめできる製品だ。


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