一足先に発売されたパナソニックの「3D VIERA」については、ASCII.jpでもレビューを掲載した(関連記事)。しかし3D液晶テレビについてはこれまでじっくり触る機会を得られなかった。
そこで今回はASCII.jpではまだレビューを掲載していないソニーの「KDL-52LX900」やシャープ「AQUOSクアトロン 3D」について、少し詳しく紹介したい。特にソニーは3Dテレビとしてだけでなく、その他にもさまざまな機能が充実している。本格的に取り上げるのが今回初めてということもあるので、ここではそのあたりの3D以外の機能を紹介しよう。
また、3Dテレビを堪能するには欠かせないサラウンドシステムについても少し紹介したい。
3D対応だけでなく、いろいろと多彩
多機能モデル「KDL-52LX900」
LX900シリーズの特徴と言えば、「インテリジェント人感センサー」だ。これは、従来の人感センサーが赤外線センサーだったのに対し、こちらはカメラセンサーとなっている点が異なる。つまり、テレビが視聴者を見ているのである。
カメラセンサーには、同社のデジカメでも採用されている「顔認識技術」が盛り込まれており、テレビの前に居る人の顔を判別する。実際に行なっているのは顔の向きの検出と年齢の推定。
顔の向きを検出することで、たとえば本を読みながらテレビを見ている場合、顔が画面を向いていない(テレビを見ていない)時は、画面の明るさを落として節電する。いわゆる「ながら視聴モード」だ。設定によっても異なるが、この状態が続くと画面を消画し、そのまま放置しているとスタンバイ状態となる。
このほか、視聴者の年齢推定では、特に乳幼児を判別して、およそ1m以内に近づくと画面を消して注意メッセージとアラームで近づきすぎを警告する。幼児がテレビに夢中になって近接視聴になるのを防いだり、テレビ画面を叩いたりして事故の原因となるのを回避できる。そして、このほかに部屋の明るさと照明の種類を検知して自動で最適な画質に調整する「おまかせ画質センサー」も合わせて内蔵している。
もうひとつは、顔認識を利用した「視聴位置自動調整」。テレビに対して端の方から見ている場合にその位置に合わせて画質と音質を調整する。音質の調整は左右のバランス調整で、画質は視野角拡大のための画素分割による表示機能を活用して、テレビを見ている人の位置で最適なコントラスト感が得られるように調整する。
テレビにカメラがあり、見ている人の状態をモニターしているというのは、「2001年宇宙の旅」のHAL9000のようで面白いし、省エネを含めて機能的にもユニークだ。視聴者の表情から、その番組が気に入っているかどうかを判断してデータベース化し、見ている人の好みの番組をおすすめする機能というのもありそうだ。テレビの人工知能化は今後の目玉機能になるかもしれない。
さらに多彩な動画配信サービスに対応する「ブラビアネットチャンネル」もいよいよタイトルが充実しはじめた。
YouTubeやU-NEXTのサービス開始をはじめ、現在は「FIFA World Cuo Collection」(英語版)のサービスも行なわれている。過去の名試合、名シーンなどを無料で視聴できるサービスだ。動画配信サービスは今後も増えていく予定となっており、おそらくはここで3D映像ソフトを配信するサービスも追加されると思われる。
本機は3Dにフル対応しただけでなく、このように他のモデルにはない機能も数多く盛り込まれている。画質の点ではより上位となる「HX900」シリーズもあるが、3D映像だけでなく多彩なテレビ機能を快適に楽しみたいという人にとってはこちらの方が魅力的だろう。
3D映像を楽しみたいという人に最適なモデルではあるが、一般的なテレビ視聴でも多彩に活用できるモデルだ。

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