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iPhoneで操作! 未来のラジコンヘリ「AR.Drone」を触った

2010年02月25日 19時30分更新

文● 倉田吉昭

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拡張現実技術によるゲームも展開

 ParrotではAR.Droneをゲームデバイスとして考えているようで、カメラからの映像に、AR(拡張現実)技術を利用したオブジェクトを重ねたゲームも遊べる。そのデモも見せてくれた。

 ゲームには、リアルの空間に置かれた2D/3Dのタグを使う。基本的には、カメラで撮った映像中にタグを認識すると、iPhoneの画面上に3Dオブジェクトをリアルタイムで表示し、そのオブジェクトを攻撃するという内容だ。2Dタグの場合は部屋のあちこちにターゲットタグを置いて破壊して回るゲームを、3Dタグなら2台のAR.Droneにそれぞれタグを載せ、相手を打ち合うという対戦ゲームを想定しているようだった。

箱に黒い丸が描かれているのが2Dタグ、オレンジとグリーンの筒が3Dタグ。タグを認識すると、その映像に重なるように3Dオブジェクトを表示する

AR.Droneのカメラから送られてくる映像にタグがあると、そこにオブジェクトがオーバーレイされる仕組み。写真では2Dタグに合わせて3Dのロボットが表示され、攻撃してくる

 少々見づらくて恐縮だが、下記動画の前半では2Dタグのロボットに対してミサイル攻撃をしている。後半は、3Dタグを載せたもう1台のDroneがサイトに入ると、自動的にタグを認識してターゲッティングするというデモだ。

3Dタグのデモ



 ParrotではAR.Drone用にAPIを公開しており、AR技術を使ったゲームは自由に開発できる。対応プラットフォームは当面はiPhone用アプリのみだが、将来的にスマートフォンや携帯ゲーム機など、ほかの無線LAN対応プラットフォームに展開する可能性についても含みを持たせていた。


驚異的な安定性で誰でも簡単に飛ばせる!

 AR.Droneは独創的なデザインと高度なハードウェアの結晶だが、実際に飛ばしてみなければその真価は分からない。

 Parrotによるデモのあとにメディア向けの体験会も実施していたので、筆者もさっそく飛ばしてみた。もちろん日本では初、世界でもCES、Macworld Expoに続いて3番目という貴重なデモンストレーションだ。

AR.Droneの飛行



 まず驚いたのがその安定性。自動制御が効いており、常にほぼ水平を保ち続けてくれるので、安定を失って無様にグルグル回転しながら墜落することがない。また、コントローラーから手を離しても、その場に留まってホバリングする。3次元移動しているのにラジコンカーかラジコンのモーターボートでも操縦しているかのような安定性が保たれるのは驚異的だ。

 操作時は、iPhoneの画面に表示されたボタンをタップして、回転/上下に移動を指示する。さらにiPhoneの傾きをAR.Droneに伝えるボタンがあり、ここを押しながらiPhoneを傾けることでAR.Drone自体も傾き、前進後退・左右移動を行なう。

 iPhoneの動き検知はかなり精度が高く、1cm刻みの微妙な動きも、ダイナミックな高速移動も、どちらも対応できる。ハルを付けるため、人や壁などにぶつかっても、速度さえ遅ければ無事に跳ね返ってくる。わずか1分程度の操作だったが、そのポテンシャルには参加したメディアの誰もが驚いていた。

離陸ボタンを押すだけで、誰でも簡単にテイクオフ。着陸ボタンを押せばランディング。フライトシミュレーターのほうが100倍難しい

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