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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第38回

Intelチップセットの歴史 その8

FSB方式の限界に振り回されたXeon向けチップセット

2010年02月08日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

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7500~7300/5400/3200世代のサーバー向けチップセットロードマップ

E7500~7300/5400/3200世代のサーバー向けチップセットロードマップ

 この仕組みは、続いて2007年11月に登場した「Intel 5400」にも引き継がれ、だいぶ性能改善されたもようだ。Intel 5400はPCIe Gen1ながら合計40ものレーンをサポートし、最大搭載メモリー量も128GBに達するなど、能力的にはかなり強化されている。ちなみにこのIntel 5400は、エンスージャスト向けお化けプラットフォーム「SkullTrail」にも採用された。

 この5400のエントリー版が「Intel 5100」で、高価なFB-DIMMの代わりに、通常のregistered DIMMを利用している。面白いのはこの製品、組み込み向けにも使われることもあってか、対応CPUリストにXeon以外のCore 2 Duo T9400が含まれていたりする。

Intel 5100チップセット

Intel 5100チップセット

 話を1プロセッサーに戻そう。2005年7月にE7230がリリースされた後、型番変更に合わせて「Intel 3010」が2006年8月にリリースされる。コード名はどちらも「Mukilteo」(マキルテオ)なのだが、3010ではPCIe x16レーンを搭載したり、6702PXHへの対応を外したりと、マイナーチェンジを施している。これをPCIe x8対応にした廉価版が「Intel 3000」である。

 また2007年11月には、「Intel P35」相当とでも言うべき「Intel 3210」と、その廉価版である「Intel 3200」が投入される。ただデスクトップ向けとは違い、DDR3への対応は見送られている。

 これらの流れとはまったく別に、2006年6月に投入されたのが「Intel 3100」である。これはSocket M、つまりPentium MやCore Duo/Core 2 Duoなどのモバイル向けCPUと組み合わせる事を想定した、組み込み向けチップセットである。MCHとICHをワンチップ化したSCHとなっている。


4プロセッサーサーバーも1CPUに1FSBの構成に

 最後に、4プロセッサー向けチップセットである。長らくインテルは、自社では4プロセッサー構成のチップセットを提供してこなかったものの、2005年8月にやっと「Intel E8500」をリリースする。これは図4のように、2本のFSBを出して、そこに各々2つずつのCPUがぶら下がる形で構成された。

図4 Intel E8500の構成

図4 Intel E8500の構成

 ちなみにE8500には、専用の「XMB」(eXternal Memory Bridge)も用意され、これを使うことで1本のメモリーチャンネル数を倍増できた。E8500自身は4本のメモリーチャンネルをもち、それぞれにXMBを接続することで、システム全体ではメモリーチャンネルを8本利用できる。1チャンネル辺り最大4スロットまでDIMMを装着できるので、4GB DIMMを使えば最大128GBという計算である。ただこの構成も、MCM方式のDual Core CPUではやはりCPUの数が多くなりすぎてしまい、FSBの周波数を下げないと成立しない。

 そのため、2007年9月に登場した「Intel 7300」シリーズでは、図5のようにFSBが4本出て、それが各々のCPUとつながるという形で、ようやくデュアルコアCPUの4プロセッサー構成が可能になった。しかしこうなると、FSBを使う意味そのものが、かなり薄れてきているのは間違いない。

図5 Intel 7300の構成

図5 Intel 7300の構成

 実際に、E8500は42.5mm角のパッケージで1432ピン(balls)というかなり巨大な構成のチップセットだったが、Intel 7300は47mm角のパッケージで、2013ピンというさらに巨大なパッケージになっている。Intel 7300ではこれでもメモリーにFB-DIMMを採用したことでピン数を減らせている。もしこれが、E8500同様にRegistered DDR2のままだったら、恐らく3000ピンに達していただろう。

 そんなこともあり、FSB方式はこのあたりで打ち止めとして、インテルはもう少し効果的なインターコネクトを採用する方向で検討が進むことになる。それについては次回ご紹介したい。

今回のまとめ

・Xeonプロセッサーに合わせたチップセットとして、2002年11月に「E7500」シリーズと「E7205」が投入された。7500はサーバー/ワークステーション用の強力なチップセットで、E7205はデスクトップ向けの「Intel 875P」と共通点の多いエントリーシステム向けであった。

・2004年6月には、ごく限定されたグラフィックス機能を内蔵した「E7221」が登場する。しかしこの路線は続かなかった。

・FSB方式の限界は、2004年以降のPentium 4時代に明確になった。1つのバスに複数のCPUがぶら下がるため、高速化の限界に達したためだ。特に4プロセッサーシステムは早々に限界に達し、インテル自身からのチップセット供給が途絶える。

・同様の限界は、MCMで1パッケージに2ダイを封入したデュアルコアXeonにより、2プロセッサーシステムにも影響する。最終的に、1チップセットから2本のFSBが出る「Intel 5000」シリーズの投入で解決される。しかしこの方式はチップセットの肥大化も招いた。

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