Intelチップセットの歴史 その8
FSB方式の限界に振り回されたXeon向けチップセット
2010年02月08日 12時00分更新
グラフィックス機能を内蔵した変わり種 E7221
さて、メインである2プロセッサー構成向けでは、2004年6月に「E7525」が、その2ヵ月後には「E7520」「E7320」が投入される。こちらはPCI Express(PCIe)への対応と800MHz FSB化、およびDDR2メモリーへの対応が主な変更点である。
E7525はワークステーション向け、E7520とE7320はそれぞれサーバー向けという構成になっている。しかしシステムそのものは、E7525/7520/7320に「6700PXH」というPCIe/PCI-XブリッジとICH5を接続する構成に差はない。サポートする機能の違い、例えばE7520はDDR333を使った時のみ32GBの構成が可能といった具合に、細かい部分で差別化されている。
これに続いて、2004年9月には1プロセッサー向けの「E7221」がリリースされるが、これはちょっと不思議なチップセットであった。構成的には「Intel 925X」(というかIntel 915P、関連記事)に近いものだが、PCIe/PCI-Xブリッジ「6702PXH」を組み合わせることでPCI-Xが利用可能になり、その代わりPCIeはx8が出るのみという構成だ。
さらに、なぜかE7221にはグラフィックス機能(Standard SVGA)が統合されており、外部にGPUを用意する必要がなかった。ただしインテルの分類では、E7221は「GMCH」ではなく「MCH」である。つまり「グラフィックではない」という判断なのだろう(実際Windows表示のアクセラレーション機能は皆無)。これにより、ラックマウントサーバーのように、通常は画面出力を必要としないシステムで低コスト化が図れる、という目論みと思われる。
ちなみにWindowsの場合、サーバーOSであってもとにかくなんらかのグラフィックス機能がシステムに装着されていないと、インストールもブートもできない。そのため以前ならば、ATI(現AMD)の「RAGE XL」や、最近ではXGIの「Volari Z7/9/11」といったGPUがオンボードで装着されるケースがほとんどだった。
しかし、E7221のこれはあまり好評ではなかったのか、後継製品である「E7230」では、あっさりとこの機能は削除されてしまった。そのE7230だが、「Intel 955X」あるいは「Intel 945P」相当となるもので、ブリッジチップの6702PXHと組み合わせてPCI-Xバスを出せるようにしている以外は、おおむねIntel 945Pと同等のスペックとなっている。
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