2010年に入り、動画配信ビジネスの動きは激しさを増している。
これまでGyaO!、YouTube、そしてニコニコ動画という動画配信ビジネスの代表選手に、最新動向と、間近に迫った2011年アナログ停波後の展望を聞いてきた。3社に共通するのは動画ビジネスの成長に自信を深めていること、そして「通期での黒字化も視野に入っている」という話が見受けられる点だ。
だが一方、2月11日にはYouTubeと並び称されることもあった米動画共有サイト「Veoh」が倒産処理手続きに入ると報じられた。著作権問題をクリアしながらコンテンツ調達とシステムの改修に投資を続けることは、動画サイト経営の観点でも難易度が高い。今後も勝ち組・負け組の明暗が分かれる状況がしばらく続くのは間違いないだろう。
そこで今回取り上げてみたいのが、カデンザが視聴システムを開発しているネットテレビ「ROBRO-TV」(関連記事、以下「ROBRO」)だ。ROBROは地上波テレビ放送にニコニコ動画風の「字幕」をかぶせて表示できる「ニコニコ実況」に対応している。先日のニコニコ大会議でも展示され、注目を集めていた異色のハードウェアだ。
YouTubeに投稿された「ROBRO」CM
CPUはAtomベースで開発され、コンピューターとしてのスペックはNetbook並み。価格も6万9800円とそう高くはない。2月に放送された特番「NHKスペシャル メイドインジャパンの命運」で、東芝のフラグシップモデル「CELL REGZA」(関連記事)と対照的なコンセプトを持ったテレビとして紹介されたのも記憶に新しい。
動画サイトの状況はハードウェアそのものにどのような変化を与えるのか? カデンザの安達寛高社長に話を聞きながら、考えてみたい。
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