ソニーは18日、VAIOシリーズのノート・デスクトップパソコン新製品10シリーズを一斉に発表した。1月8日に発表されたインテルの新CPUを採用した新プラットフォーム「Calpella」を搭載するノートパソコンが多数含まれるほか、VAIOシリーズ初のCULVノート、新Atom採用のネットブックなど、意欲的なラインナップとなっている。店頭販売モデルの価格は、全機種オープンプライス。
新CPU+独立GPU搭載のテレビノート
VAIO F
大型ノートにラインナップされる「VAIO F」シリーズは、新CPU搭載などハードウェア面が大幅に強化されたほか、従来のハイエンドノート「VAIO type A」シリーズのクリエイター向け要素も取り込んだ高付加価値指向の製品となった。
店頭販売モデルは3機種で、全機種が16.4型ワイド/フルHD解像度のディスプレーを搭載する。さらに、最上位機種で写真/ビデオ編集向けの「Creation Line」に位置付けられる「VPCF119FJ/BI」(F119)は、色空間規格「Adobe RGB」のカバー率100%をうたう高画質な液晶ディスプレーを採用する。
搭載CPUには、F119がクアッドコア+ハイパースレッディング(HT)のCore i7-720QM(1.60GHz)を、中位機「VPCF118FJ/W」(F118)はデュアルコア+HTのCore i5-520M(2.40GHz)を、下位機「VPCF117FJ/W」(F117)はデュアルコアのCore i3-330M(2.13GHz)を採用している。
インテルの新Core i5/3は、CPU内にグラフィックス機能を内蔵する点を特徴としているが、新しいVAIO Fシリーズはグラフィックス性能を重視して、全機種が最新のNVIDIA製GPUを搭載する点も特徴である。最上位のF119には「GeForce GT 330M」(ビデオメモリー1GB)、それ以外の機種も「GeForce 310M」(ビデオメモリー512MB)を搭載している。
これらのGPUは3Dグラフィックス性能に優れるだけでなく、NVIDIAの汎用GPU演算技術「CUDA」にも対応。市販のCUDA対応アプリケーションのほか、本体にプレインストールされた写真・ビデオ管理/編集ソフト「Picture Motion Browser VAIO Edition」による、GPUを使った動画の超解像化や画質補正機能を利用できる。
そのほかにも、全機種が地上デジタル放送チューナーを2基内蔵。2番組同時の録画が可能となっている。またF119と中位機F118には、記録型BDドライブも搭載されている。また、パソコンのトラブルシューティングやリカバリー、サポート窓口の情報などを提供する機能「VAIO Care」をワンボタンで呼び出せる「ASSIST」ボタンが、キーボード上部に用意された。
予想実売価格は、F119が約24万円前後、F118が19万円前後、F117が17万円前後と想定されている。発売日は1月23日の予定。主な仕様は以下のとおり。
VAIO F(VPCF119FJ/BI) の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core i7-720QM(1.60GHz) |
メモリー | DDR3-1333 4GB |
グラフィックス | GeForce GT 330M |
ディスプレー | 16.4型ワイド 1920×1080ドット |
ストレージ | HDD 500GB |
光学ドライブ | 記録型BDドライブ |
テレビ機能 | 地デジチューナー×2 |
無線通信機能 | IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 2.1 |
サイズ | 幅387.2×奥行き263×高さ31~43.5mm |
質量 | 約3.2kg |
バッテリー駆動時間 | 最大 約2時間 |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit版 |
予想実売価格 | 24万円前後 |
VPCF118FJ/W の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core i5-520M(2.40GHz) |
メモリー | DDR3-1066 4GB |
グラフィックス | GeForce 310M |
予想実売価格 | 19万円前後 |
それ以外の主な仕様はVPCF119FJ/BIと同等 | |
VPCF117FJ/W の主な仕様 | |
CPU | Core i3-330M(2.13GHz) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
予想実売価格 | 17万円前後 |
それ以外の主な仕様はVPCF118FJ/Wと同等 |
店頭販売モデルのほかに、CTO方式で販売されるVAIO OWNER MADEモデル(VOMモデル)では、ソニーが開発した近接無線伝送技術「TransferJet」の通信機能の内蔵が可能となっている。TransferJetは、数cm程度の近距離で最大560Mbps(理論値)もの高速無線データ転送が可能な新しい通信技術である。対応するデジタルカメラやビデオカメラなどを、同機能を内蔵したパソコンのパームレスト部分に置くだけで、互いを接続してデータ転送が可能になる。
TransferJetを推進する業界団体には、ソニー以外にも国内外の家電・カメラ・携帯電話メーカーなどが加盟しており、ライセンスフリーということもあって、今後の普及が期待されている。ソニー自身からは、TransferJet機能を内蔵したメモリースティックや、デジタルカメラが発売される予定である。

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