Intelチップセットの歴史 その5
DDR3に先鞭をつけたIntel 3~4世代のチップセット
2009年12月14日 12時00分更新
X38とX48の中身は同じ
Intel G35はG965のマイナーチェンジ
このP35をベースにしたハイエンド向け製品が、2007年9月に登場した「Intel X38」である。こちらの大きな特徴は、PCI Express Gen2に対応し、しかもx16レーンを2本(合計32レーン分)搭載したことにある。DDR3メモリーとほぼ同時期に、PCI Express Gen2もリリースされ、これに対応した初のチップセットがX38というわけだ。
ちなみに、X38はP35をベースにと言いながらも、ほとんど作り直しといったチップセットで、実際システムの余裕はかなり大きかった。X38登場の半年後である2008年3月に登場した「Intel X48」は、事実上X38と同じもので、単に1600MHz FSBとDDR3-1333/1600の動作検証をしただけと言っても過言ではない。またX48では、XMP(eXtended Memory Profile)と呼ばれるDDR3用の独自SPD拡張がサポートされたが、X38はこうした動作に当初から耐える設計になっていた。実際にX38のまま1600MHz FSBやDDR3-1600が動作するマザーボードが製品化されている。
一方メインストリーム向けには、P35に内蔵GPU「GMA3100」を搭載した「Intel G33」が投入される。名前に「X」がつかないただのGMA3100で、前回紹介した「Intel Q965」などに搭載された「GMA3000」を若干性能向上させたものだ。向上と言っても、メインメモリーから最大384MBまでビデオメモリーを割り当てられるといった程度で(GMA3000は256MBまで)、基本は同じものである。
このG33からDDR3対応を削り、ビジネス向けとしてAMTやASF(Alerting Standard Format、OS非動作時の遠隔管理技術)の対応を追加したのが「Intel Q35」で、Q35からAMT対応を削ったのが「Intel Q33」となる。
「ではIntel G35は?」というと、こちらは2007年8月に投入されるが、中身はほとんど「Intel G965」そのままである。つまりDDR3には対応しないし、ICHも「ICH8」のままである。異なる点は、まず内蔵GPUが「GMA X3000」から「GMA X3500」になったこと。GMA X3500はDirectX 10の「Shader Model 4.0」に対応ということになっているが、構造は限りなくX3000に近い(DirectX 10互換ではある)。
そのほかの目立つ違いは、ビデオコーデック「VC-1」の再生支援機能が搭載された程度である。そのためコード名は3x系の「Bearlake」ではなく、965系の「Broadwater-GCR」(Broadwater-GC Refresh)とされている。
2007年8月には、バリュー向けの「Intel P31」「Intel G31」も投入された。P31は「Intel 945P」をベースとしたもので、若干の仕様変更程度。G31はP31にGMA3100コアを追加したものである。特にP31/G31の場合、内部構造がIntel 94xシリーズを引き継いでいる関係で、最大サポートメモリー量が4GB止まりなのも特徴だ。
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