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各社とのアライアンスでクラウド環境構築を目指す

ソフトバンクテレコムが浮かべた白い雲

2009年11月19日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 ソフトバンクテレコムが、同社のクラウドコンピューティングサービス第一弾として「ホワイトクラウド シェアードHaaS」「ホワイトクラウド プライベートHaaS」の提供を発表した。

ホワイトクラウドのサービスメニュー

ホワイトクラウドのサービスメニュー。今回はOSやVMの提供までがアナウンスされた状況だ

 シェアードHaaSとプライベートHaaSの違いだが、平たく言えばホスティングとハウジングの違いといったところだ。“シェアード”は仮想化技術を使ってCPU1コア、メモリ1GB、HDD100GB、1ポートのネットワークを提供するもので、ファイアウォールが実装された1Gbpsの共用インターネット回線が用意される。また、24時間365日のサーバー監視と障害受け付けといったオペレーションサービスも行なわれる。

 “プライベート”は、顧客の要望によってプライベートクラウドを構築する。プライベートクラウド目的のハウジングサービスといったところだ。シェアードと違い、対応回線に専用回線や専用の閉域回線を選択できる。サービス内容は顧客のリクエスト次第だが、ストレージや仮想ソフト、ネットワーク機器などのリソース追加が可能だ。

 サービス利用料金は、シェアードが1VMあたり4725円/月から。プライベートは基本料金+従量課金の形態による個別対応となる。プライベートHaaSが個別対応なのに基本料金+従量課金という形態を採るのは、2008年4月のリース取引に関する会計基準改正の適用によるという。これによってIT投資の固定資産化が義務付けられたため、月額従量課金によってユーザー企業のIT資産圧迫を抑えようという試みだ。

 ホワイトクラウドは、現在はホスティング/ハウジングの要素が強いサービスだが、今後はミドルウェアや認証技術、メールやCRMのような業務アプリケーションを提供し、最終的にはビジネスアウトソーシングのサービスまでを目指す。

ホワイトクラウドコミュニティ

ホワイトクラウドコミュニティ

 サービスの実現に関しては、「ホワイトクラウドコミュニティ」と呼ばれるハードウェア/ソフトウェア各社とパートナーを組むことで、各レイヤーに多彩な製品を組み込んでワンストップで提供する戦略が見て取れる。実際、ソフトバンクテレコムのプレスリリースに記載されたホワイトクラウドコミュニティの説明には「個々の企業単独ではカバーしきれない様々なクラウドコンピューティングサービスを共同で実現し、サービスの付加価値を高めることを目的とします」とある。

 今回の発表は同社のインフラサービスであるULTINAを含めたソフトバンクグループのリソースと、ホワイトクラウドコミュニティの各社製品/サービスを組み合わせることで、単独では不可能なパブリッククラウド基盤を構築しようという試みの第一歩。サービス提供そのものよりも、ホワイトクラウドコミュニティの誕生こそ、注目といえる。第一弾となるシェアードおよびプライベートHaaSの提供は2010年2月が予定されている。

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