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正式版IEEE 802.11nの実力を検証!

公称168Mbps! AtermWR8300Nの通信速度は本物か?

2009年11月30日 10時00分更新

文● 遠藤哲

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ゲーム機とPCを安全に共存できる!

 無線LANルーターには暗号化機能が搭載されているが、一般的なWEPに加え、よりセキュリティーが高いWPA/WPA2-PSKといった規格も登場している。しかしWEP規格のみに対応した機器も根強く残っており、混在して使わざるを得ない状況もあるだろう。

 そんな心配から解放してくれる機能が、「マルチSSID」と「ネットワーク分離機能」である。マルチSSIDとは、2つのSSIDを仮想的に運用し、それぞれに異なる暗号方式を適用する機能である。

 本機では2つのSSIDをプライマリSSIDとセカンダリSSIDと呼ぶ。初期設定で、プライマリSSIDは暗号化強度の高いWPA/WPA2-PSKの通信、セカンダリSSIDはWEPの暗号化通信に設定されている。ゲーム機のニンテンドーDSなどは11b対応で暗号化モードはWEPにしか対応していないため、らくらく無線スタートで設定しても自動的にセカンダリSSID側で接続される。ノートパソコンなどはプライマリSSID側で接続すれば、より強力な暗号化通信で情報を守れる。


WEP利用では、家庭内LANに入れないようにする運用も可能

 このマルチSSIDにネットワーク分離機能を加えることで、さらにセキュリティーが強化される。

 これは、言葉の通りプライマリSSIDとセカンダリSSIDを分離する機能だ。

ネットワーク分離機能のイメージ

 例えばセカンダリSSIDにこの機能を適用すると、セカンダリSSIDに接続した機器からプライマリSSIDに接続した機器(と有線LANポートに接続した機器)へのアクセスができなくなる。ノートパソコンはWPA/WPA2-PSKが使えるプライマリSSID、有線LANポートにはNAS、WEPにしか対応しないニンテンドーDSなどの機器はセカンダリSSIDにつなぐ運用にしておけば、セキュリティー強度の低いセカンダリーSSID側の暗号化が破られても、プライマリSSIDと有線LAN側の機器は守られることになる。

 ネットワーク分離機能は、セカンダリSSID(SSIDの最後が“-W”で終わっている側)に初期値で適用されているので、ニンテンドーDSなど11b規格にしか対応していない製品は自動的にセカンダリSSIDで接続される点も安心だ。さらに、アクセスポイントモードでも利用できる点も嬉しい。なおネットワーク分離機能の設定/変更はウェブ設定画面から行う。

 インターネットアクセスには、さまざま脅威が潜在している。ゲーム機といえどもコンピュータである。いつゲーム機を狙ったウイルスが登場するかわからない。いまのところゲーム機用のファイアウォールもアンチウイルスソフトもないので、万一を考えた場合、被害を限定的にする上でもネットワーク分離は潜在する脅威への防衛手段となる。

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