対応機器の多い2.4GHzの11nで、速度も十分
筆者の自宅は集合住宅ということもあり、あちらこちらから無線LANの電波が飛び込んできている。
電波の強度は弱いので、目くじらを立てる必要はないのかも知れないが、干渉されにくい5GHz帯の存在を知っているだけに、すでに無線LANには5GHz帯を使えるWR8500Nを導入している。インターネットアクセスにJ:COMのウルトラ160Mを利用することも決め手となった。
WR8500Nには満足しているが、実は購入したときに2つ解決しなければならないことがあった。一つは当時5GHzの11nに対応した無線LAN子機がPCカードのWL300NCしかAtermシリーズになかったこと、そしてゲーム機用に別途アクセスポイントを立てなければならないことであった。
無線LAN子機はリビングに設置したWR8500Nと洋室をつなぐためのもので、2.5GHz帯の製品はUSBタイプの子機など他社製品も含めていくつかあったと思う。しかし、5GHzの11nに対応した子機は、PCカード以外、BUFFALOのWLI-TX4-AG300Nしか見あたらなかった。
選択肢がないのでそれを購入したのだが、LANポートが100BASE-TXということもあり、有線LANの速度が上限となり5GHz 11nを活かしきれていない状態にあった。
また、ゲーム機でのインターネット利用もあるため、ブロードバンドルーターを2つ使い、ゲーム機用とPC用でIPネットワークを分け、ゲーム機用のブロードバンドルーターのフィルタリング機能を使い、NASやネットワークプリンターへのアクセスを禁止していた。
それが、今回WR8300Nを使い自宅で計測をしてもみたところ、場所によっては100Mbpsを超える速度が計測でき、しかもWR8300Nのネットワーク分離機能を使えば、1台のブロードバンドルーターでゲーム機のアクセスを制限できる。
WR8500NにもマルチSSIDの機能はあるが、ネットワーク分離機能はない。
無線子機も圧倒的に2.4GHz対応の製品が多く、目的や予算に応じて最適なものを選べる。正直なところ5GHz帯をサポートしない本製品に、それほど興味はなかったが、速度を実測し、ネットワーク分離機能があることが分かると、2.4GHz対応でも十分なのではないかと考え方が変わっている。
多くのユーザーが利用している2.4GHz帯に絞り込んだWR8300Nは、カタログではWR8500NにNo.1のポジションを譲っているが、実用性などを考えると、Atermシリーズのフラグシップといっても過言ではない。 筆者のように5GHzに執着がなければ、WR8300Nはぜひ選択肢に加えたい製品としておすすめできる。
