このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第27回

PCI登場から440BXまで Intelチップセットの歴史 その1

2009年11月16日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Pentium II~III世代で長く使われた440BX登場

インテルチップセットのロードマップ

Pentium III/Socket 370時代までのインテルチップセットのロードマップ

 これに続き、Pentium IIがコード名「Deschutes」コアベースの100MHz FSBに移行したタイミングにあわせて導入されたのが、「440BX」である。440BXはSlot 1向けチップセットの決定版ともいえる製品で、後継となる「Intel 815」シリーズが登場してもまだ使い続けられたほど、息の長い製品となった。

440BX搭載マザーボードの例

440BX搭載マザーボードの例。写真の製品が秋葉原の店頭に並んだのは、登場後5年も経った、なんと2003年末である

 440BXはデスクトップパソコン向けとして、機能面ではメインメモリーの最大容量が1GBに抑えられたりはしたものの、一応デュアルCPUが使えるほか、メモリーアクセス性能の優秀性などもあって重用された。この440BXをXeon向けにしたのが「440GX」で、最大メモリー搭載量の増加(2GB)とか64bit PCIをオプションでサポートするなどの機能が追加されている。またPentium II/III向けのSlot 1以外に、Xeon向けのSlot 2のサポートも追加された。

 同時期に登場したのがハイエンド向けの450NXである。こちらはサーバー向けCPUがPentium ProからXeonに移行したのに対応して登場したもので、最大4プロセッサー構成が可能ながら、メモリーは大容量化が容易という理由でSDRAMではなく、FPDRAM/EDO DRAMのサポートのみとなっている。構成も5チップ構成だったりするため、流石にこれをワークステーションなどに使うケースはほとんどなかった。

 デスクトップに話を戻すと、まずCeleronの製品ライン投入にあわせ、これをサポートする低価格帯向けチップセット「440EX」が投入される。これは440BXから100MHz FSBやマルチプロセッサー対応を削り、メインメモリーも最大256MBに削減、メモリーのSPDの自動認識機能を削るなど、低コスト化した製品である。

 この440EXを、100MHz FSB対応に変更したのが「440ZX」となる。厳密には、440ZXには2種類あり、440EXとほぼ同じスペック(ただしSocket 370専用)の440ZX/66と、440EXに100MHz FSBの対応を追加した440ZXの2製品となっている。どちらにしろこれらはバリュー向けの低価格製品であり、OEMには広く採用されたものの、自作マーケットではほとんどそのプレセンスを感じさせることなく、次のIntel 810系に交代することになった。

今回のまとめ

・インテルは1993年、Pentium用に初のPCI対応チップセット「430LX」を出荷した。メモリーコントローラー、PCIブリッジ×2、ISAバスブリッジの4チップで構成されていた。

・1996年にはDMA転送対応のHDDコントローラーとUSBを備えた「430HX」「430VX」が登場。特に430HXは広く使われた。

・一方、1995年にPentium Proと合わせて「450GX」「450KX」が出たが、Pentium Pro自体がデスクトップにはなかなか普及しなかった。

・転機は100MHz FSB対応のPentium IIの登場と、同時にでた「440BX」。機能が充実しており、長期間に渡って使い続けられる人気チップセットとなった。低価格路線の「440EX」「440ZX」も登場したが、440BXほどの広がりは見せなかった。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン